交流戦V逸も「栄養にしたい」 助っ人復調、育成右腕も定着…巨人・原監督が得た自信
岡本は8本塁打19打点で交流戦暫定2冠
先発として5試合0勝4敗、防御率5.47と不振にあえいでいた来日1年目の右腕タイラー・ビーディ投手も、交流戦を期に中継ぎ要員として1軍復帰。5試合で計5回無失点と変身した。150キロを超えるストレート、ツーシームに加え、チェンジアップやナックルカーブも多投する姿に、原監督は「もう少し真っ直ぐに自信を持って投げてくれればいいと思うのですが、あまり自信がないのか、変化球が多い感じがするね」と注文をつけつつ、「まだまだ、できたてホヤホヤのリリーバーではあるけれど、可能性を強く感じます」と高く評価している。
育成出身で2年目の菊地大稀投手も、中継ぎで交流戦9試合に登板し、計10回2/3無失点。原監督が「安定感が出てきつつある。今まではストライクを取るのに一生懸命だったが、今は打者を打ち取るために一生懸命になれている。非常にいいですね」と期待を寄せる24歳右腕だ。
巨人が開幕直後、最下位を低迷するなど負けが込んだのは、中継ぎ陣の不振が原因だった。特に8回に手痛い失点を喫するケースが目立ち、“魔の8回”と呼ばれたが、そんな不安は解消されつつある。リードを守って大勢につなぐ態勢がほぼ整った。
打線では、4番の岡本和真内野手が交流戦期間中に打率.383(60打数23安打)をマークし、8本塁打と19打点は12球団トップ(18日現在)。その岡本が効果的に打点を稼げるようになったのは、主に1番を打つ坂本勇人内野手が復活を遂げた影響が大きい。期間中は打率.306(72打数22安打)、4本塁打、10打点。16日の楽天戦で放った逆転サヨナラ3ランは、今後のチームの急上昇を予感させた。2番に定着しつつある梶谷隆幸外野手、3番の秋広優人内野手も機能しており、爆発力を備えた打線に変貌した。
リーグ戦再開は23日。原監督は「リフレッシュを含め、矯正を含め、時間の使い方は個々に違う。しっかりと、時間は正しく使いたいですね」と既に気持ちを切り替えている。交流戦優勝はあと一歩で逃したが、もともと巨人の本当の目標はその後にある。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)