「破壊力ある打線」に加わった秋広の躍進 “混セ”へ鍵握るか…逸材の無限の伸びしろ

昨年までロッテの監督を務めた井口資仁氏【写真:荒川祐史】
昨年までロッテの監督を務めた井口資仁氏【写真:荒川祐史】

楽天はパ3強を脅かすか「僕はこのまま終わるとは思いません」

 パ・リーグでは、ようやく楽天が本調子になってきました。岡島(豪郎)はいい状態をキープし、浅村(栄斗)と辰己(涼介)の調子が上がってきたので、あとは島内(宏明)が目覚めれば手強い打線になります。本来は打線がいいチーム。浅村→島内という並びの前で、いかに小深田(大翔)が出塁し、辰己が足でかき回せるか。島内の奮起に期待しましょう。

 投手陣は則本(昂大)の状態が良くなり、岸(孝之)も安定している中で、先発・中継ぎともに若手が出てきていないのが、一つ物足りないところ。昨季ブルペンで活躍した宮森(智志)と西口(直人)が苦しんでいるのも、勝ちきれない要因の一つでしょう。

 ただ、僕は楽天がこのまま終わるとは思いません。今のままではオリックス、ソフトバンク、ロッテの3チームで上位は決まってしまうので、打線をカギとする楽天がどこまで食い込んでいくか。ペナントレースを興味深くするためにも、ここで上位に割って入れるのは楽天だと感じています。

 ペナントレースは23日から再開。交流戦前までに同リーグ内で戦った40?50試合で、ある程度のチーム戦力や戦い方が見えてきました。各チームともに交流戦の間にアナリストがデータを分析し、ここからの戦い方を練ってくるはずなので、改めて始まる戦いは面白さを増します。

 よくオールスターを境にしてシーズンを前半・後半と呼びますが、実際はオールスターが開催されるのはシーズンを折り返した後。統計上、オールスター時点で勝率5割を切っているチームはほとんど優勝経験がないと言われていますが、それも納得です。オールスターという一つの区切りでAクラスに入れているか、勝率5割をキープできているか。夏に向けて熱さを増すペナントレースを楽しみにしましょう。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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