「破壊力ある打線」に加わった秋広の躍進 “混セ”へ鍵握るか…逸材の無限の伸びしろ

巨人・秋広優人【写真:矢口亨】
巨人・秋広優人【写真:矢口亨】

例年は交流戦で大きな差が生まれるが、今季は11勝7敗で4チームが並んだ

 今季の交流戦全日程が終了し、DeNAが初優勝を飾った。稀に見る混戦となり、11勝7敗でDeNA、ソフトバンク、オリックス、巨人の4チームが並ぶ展開に。最終的に得失点率差が最も大きかったDeNAが頂点に立った。「交流戦を制するものはペナントレースを制する」とよく言われるが、果たして今年はどんな傾向が見えたのか。昨季までロッテを率いた野球評論家の井口資仁氏は、ここからの躍進を期待する2チームを挙げた。

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 DeNAが初優勝を飾った今季の交流戦でしたが、ここまでの接戦は非常に珍しかったと思います。だいたい交流戦で大きくゲーム差が離れ、その後のペナントレースが左右されるという流れ。でも、今回は頭抜けたチームがなく、思ったほど差がつかなかった印象です。その中でも、シーズン序盤で苦しんだ巨人、日本ハム、楽天が勢いをつけました。18試合という短期決戦ですが、ここでの優勝という新たな目標も生まれるので、切り替えるにはいいチャンスになったように思います。

 勝敗でトップに並んだのが4チーム。オリックスは相変わらず安定感がありましたし、ソフトバンク、DeNAもここぞという場面で強かった。そこに並んだ巨人に関して言えば、開幕当初から好調の岡本(和真)に加え、坂本(勇人)や丸(佳浩)が調子を上げてきたので、ドッシリとした打線を組めるようになりました。坂本、秋広(優人)、岡本、丸、中田(翔)と軸がしっかりして破壊力のある打線になってきましたね。

 中でも、3年目の秋広がいい。中田や丸というベテランがいる中で、20歳の若手がポンと3番を任されたりするのは、見ていてちょっと面白いですね。できれば、先発投手が左腕の時も出続けてほしいと思いますが、非常に夢のあるバッター。長打もあるし、バットコントロールもいいし、今後の成長が楽しみです。

 ようやく戦力が揃ってきたので、リーグ首位を争う阪神とDeNAを追いかけられるのは巨人だろうと思います。交流戦で阪神とDeNAの差が2.5ゲームまで縮まったこともあり、ペナントレース再開後のセ・リーグは面白い戦いが見られそうです。

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