根尾昂も藤原恭大も「なぜか僕の部屋に全員」 2軍でもがく吉田輝星を支える“同期の絆”

日本ハム・吉田輝星【写真:羽鳥慶太】
日本ハム・吉田輝星【写真:羽鳥慶太】

同期が親睦深めたU-18、そして国体…「根尾さんは根尾さん」

 そんな大人数で何をしたかといえば「ウノです」。高校生らしく、カードゲームに興じた。「野球部あるあるですけど、なんだかわちゃわちゃして……」。楽しげな様子が目に浮かぶようだ。

 吉田は、同い年の根尾のことを「根尾さん」と呼ぶ。「根尾さんは根尾さんでしょう。そんな感じしませんか? あきらって呼ぶのもちょっと違うし……」。大阪桐蔭で「根尾さん」と呼ばれていたのが、日本代表でも定着したのだという。

 昨年の今ごろ、投手転向した根尾とメッセージのやり取りもした。「根尾さんはダメな時、(直球が)僕よりもひどい真っスラになるので、そんな話をした覚えがあります」。ただ当時は。吉田も1軍での疲れがピークに達していた時期。「第1次ヘロヘロ期で、メッセージ返したけれど寝ちゃったりとか」。お互いに助け合いながら、同世代の輪は今も、広がり続けている。

「いろんな人と仲良くなりたい。その分、試合で意識することも増えるんですけど」

 同世代で、胸を熱くする勝負を繰り広げるには、吉田がまず1軍に戻らなければならない。昨年は手元で伸びるストレートとフォークボールの組み合わせを武器に1軍定着。チーム2位の51試合に投げた。そして先発転向を熱望した今季は、3月11日に甲子園で行われた阪神とのオープン戦で打ち込まれたのを最後に、表舞台から姿を消した。2軍でも22試合に投げ1勝5敗1セーブ、防御率5.59という成績だ。

 光が見え始めたのは、5月下旬からだ。生命線の直球が「自分でも『うーん』と思っているやつでも、結果が出るようになった」と力を取り戻しつつある。また新たな武器としてカットボールも操る。「カットと言っていますが、スラッターですかね。普通の人のスライダーくらい変化している」というボールだ。

使っていない球種も豊富「何でこれ使わないのって言ってくれる」

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