大砲候補なのにHRを「狙わない」 悩める21歳に迫る期限…刻む“大先輩”の言葉
広島育成4年目・木下元秀が活路を見出す“変えない意識”
リミットまで1か月あまりと迫る中、懸命にバットを振り込んでいる。福井・敦賀気比高から2019年育成ドラフト2位で広島に入団した木下元秀外野手。力強いスイングから繰り出す長打が魅力の育成4年目21歳の胸には、高校の先輩・吉田正尚外野手(レッドソックス)のアドバイスが刻まれている。
新井貴浩新監督体制となった4年目の今季は、春季キャンプを1軍で迎えた。しかし、キャンプ途中で2軍降格。ウエスタン・リーグ開幕以降も首脳陣を納得させる結果を残すことができず、6月25日時点で打率.216、本塁打はまだ打つことができていない。
これまでは結果を求めるあまり、バッティングを“変える”ことが多かった。ただ今季は“変えない”ことを心がけている。「打てなかったからスイングやフォームを変えようとするのではなく、打席の入り方や投手へのアプローチがどうだったかを考えるようになりました」。技術だけではなく、心の整え方にも活路を見出す。
“変えない”意識は、日々の練習でも見てとれる。「例えばティーをする時のスイングと試合の時のスイングに違いがあっては、なかなかうまくいかないと思っています。練習と試合の時の変化の差を小さくすることを意識しています」。