阪神の大勝を演出した伏兵の“1打席” 評論家が絶賛した「ベンチとの意志疎通」
3回に打者一巡の猛攻で一挙5点を奪うなど打線が爆発、14試合ぶりの2桁安打で11得点
■阪神 11ー3 中日(27日・甲子園)
阪神は27日、甲子園で行われた中日戦を11-3で勝利し、連敗を5で止め首位に浮上した。これまで不振だった打撃陣が14試合ぶりの2桁安打となる12安打と爆発。久しぶりの快勝劇だったが、野球評論家の坂口智隆氏は「脇役の繋ぎがあったからこそ、打線は線になった」と分析した。
打者一巡の猛攻で先発・柳をKOした。3回先頭の梅野が中前打を放つと、木浪の四球と西勇の犠打で1死二、三塁の好機を作る。ここで近本が右犠飛を放ち先制すると、中野の右前2点適時打、前川の右前適時打、とどめは左翼席へ大山の9号2ランで一挙5点を奪った。
5連敗中と嫌なムードを吹き飛ばす集中打に坂口氏は「積極的にいった打線が素晴らしかった。相手投手が四球を嫌がることでボールはストライクゾーンに集まってきた。それを誘発させたのが木浪選手の四球だったと思います。制球力のいい柳投手のリズムを崩した」と、ポイントをあげた。
坂口氏が注目したのは3回無死一塁から木浪の打席。フルカウントからランエンドヒットの形となり、真ん中低めのスライダーを見極め四球を奪った。ベンチの岡田監督も思わず白い歯を見せた場面に「最後の球を選んだのも素晴らしいが1-3からの見逃しが良かった。際どいボールだったが見逃しに行って見逃したようなもの。次は投手ですしベンチからもその意図がはっきりと分かる。その意志疎通があった」と、評価した。