試合で実力を発揮するには 元メジャーリーガーが明かす“秘術”「ゾクゾクしてくる」

上原浩治氏(右)と岩隈久志氏【写真:羽鳥慶太】
上原浩治氏(右)と岩隈久志氏【写真:羽鳥慶太】

ワールドシリーズで胴上げ投手になった上原浩治氏「崩さずやること」

 元メジャーリーガーの上原浩治さんと岩隈久志さんが、少年少女プレーヤーに「大舞台で実力を発揮する方法」を説いた。4日、メジャーリーグが創設して8年目を迎える小学4、5年を対象とした大会「AIG presents MLB CUP 2023」ファイナルラウンド壮行会に登場。夏本番に突入し、大会を控える選手には心に残る一言になりそうだ。

 上原氏はレッドソックスなどメジャー4球団でプレーし、95セーブ、81ホールドを記録。2013年にはワールドシリーズの胴上げ投手になった。岩隈氏はマリナーズでメジャー通算63勝。2015年にはノーヒットノーランも記録した。

 2014年のオールスターゲームで登板した際の記憶を上原氏は「日本みたいに“お祭り”で行けるかと思ったらそうじゃなかった」と振り返る。「自分が打たれたらどうしようという空気がありましたよ」と、勝負にはどんな時もこだわる姿勢に驚いたという。

 そんな大舞台で力を発揮する方法として「今までやってきたルーティンを崩さずにやること、ワールドシリーズだから何かをするというのは違う。日ごろやっていることを、同じようにやることが大事じゃないかな」。これから大会に臨む子どもたちも、すぐにでも生かせそうだ。

上原浩治氏(右)と岩隈久志氏【写真:羽鳥慶太】
上原浩治氏(右)と岩隈久志氏【写真:羽鳥慶太】

ノーヒットノーラン達成の岩隈久志氏「1人じゃないと思うことが大事」

 さらにプラスアルファとして「この場面で自分が抑えれば、目立つなと思うと、自分自身がゾクゾクしてくる。目立とうという気持ちはあっていい」。自分を乗せていく方法を説く。

 一方で岩隈氏は「1人じゃないと思うことが大事」と語り掛けた。「投手であれば、みんなが守ってくれている。それで思い切ってバッターへ投げられれば、練習してきたことができる」。野球はあくまでチームスポーツだと強調する。

 さらに、野球を長く続ける方法を問われた上原氏は「あきらめたら終わり。まずあきらめないのが第1条件。失敗の方が多いのが野球なんだから、そこでシュンとするんじゃなく、もっともっと努力しよう、練習しようとなるのが大事」と語った。

 大会は7月28日から3日間の日程で、宮城県のセイホクパーク石巻、鷹来の森運動公園で行われる。全国12ブロックを勝ち抜いたチームにとってはまさに夢の舞台だ。上原氏は「これから全国大会になれば、楽しむしかない。チームメートと、一つの勝ちに、同じ方向に向かってほしい」。岩隈氏も「楽しんでほしいですね。目いっぱい」と、最高の思い出をつくることを期待していた。

(羽鳥慶太 / Keita Hatori)

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