26歳でドラフト指名「プロはないだろうな」 諦めかけた右腕の運命変えた都市対抗
26歳でドラフト指名「プロはないだろうな」 諦めかけた右腕の運命変えた都市対抗
14日に開幕した第94回都市対抗野球大会。全国から集まった32チームが社会人野球の頂点を目指して熱戦を繰り広げている。パ・リーグでも現在、多くの社会人野球出身選手が活躍しているが、今回は西武の森脇亮介投手に大会の思い出などを聞いた。
森脇は2018年ドラフト6位でセガサミーから入団。当時26歳。遅咲きルーキーとしても話題になった。セガサミーでの4年間はプロ入りできるかどうか、狭間で揺れていた時期でもあった。「それまでは自分がプロに行くために、例えばストレートの球速や、三振数ばかりを考えていたんですけど、4年目になって『プロはないだろうな』って思ったんです」。
転機は2018年の都市対抗野球大会だった。NTT西日本戦との初戦で12奪三振の完封勝利を飾り、優秀選手賞を受賞。チームもベスト4と躍進を遂げ、“潮目”が変わった。
「予選から中継ぎで投げていることが多かったのですが、練習試合でも調子良かったんです。そこでちょっと先発もいけるんじゃないか、と。結構ぎりぎりに決まったと思うんですけど、『先発するんや』って思ったのは覚えています」
この活躍でも、「(プロ入りは)10段階中2~3くらいの心持ち。年齢も年齢だったんで」と消極的だった。現在の中継ぎとして獅子奮迅の活躍という“未来図”はその当時は描けてはいなかったという。
社会人生活で学んだフォーク…現在の投球割合の4割近くを占める
4年間の社会人生活で多くのことを得てきた。その一つがフォーク。現在の投球割合の40%近くを占める球種だ。「社会人に入ってから習得したボールです。当時ピッチングコーチだった吉井(憲治)さんに教えてもらって使えるようになりました」。
西武は社会人野球出身の選手が多い。今回の都市対抗野球の地区予選も選手同士で盛り上がっていたようだ。「みんな携帯で試合の速報を見たり、どこが勝った、負けたとかいう話をします。出身チーム関係なく都市対抗の話題は盛り上がりますね」。
古巣の結果や動向を逐一追っていたという森脇。本戦で見てほしいセガサミーのイチオシ選手をあげた。「僕がずっと推しているのは草海(光貴投手)。まとまっていてコントロールも良く、いろいろな球種も投げられて器用です。あと、須田(凌平選手)っていう僕と同い年のキャッチャー。社会人野球だったらベテランの域に入ってきているんですが、キャッチングの技術がすごい」。
最後に、森脇が考える都市対抗の注目ポイントとは。「全員一生懸命で、ワンプレーも手を抜かずにやっている。トーナメントで負けたら次がない。プレッシャーを楽しんでいるなというのはすごく感じるんで、そういう何気ない姿も見てほしいなと思います」。
セガサミーは19日午後6時から三菱自動車岡崎との初戦に臨む。応援団が奏でるチャンステーマや応援スタイルが野球ファンから注目を集めており、セガサミー流の応援スタイルをぜひ現地で体験してほしい。
(「パ・リーグ インサイト」編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)