エ軍大補強と隣り合わせの“大きすぎる代償” 罰金払った挙句「焼け野原」の危機
ぜいたく税の課税ラインを超過「本気度合いが見て取れる」
エンゼルスが敢行した大型補強に、衝撃が広がっている。球団は27日(日本時間28日)、ホワイトソックスとの交換トレードで通算59勝のルーカス・ジオリト投手とレイナルド・ロペス投手を獲得したと発表。これを受け、ぜいたく税が課される限度額を超過したと米メディアが相次いで指摘した。“罰金”を払ってでもつかみたいプレーオフへの本気度に、驚きの声が上がる。
地元紙「オレンジカウンティ・レジスター」によると、エンゼルスは残りのシーズンでジオリトに対して300万ドル(約4億2000万円)以上を支払い、ロペスへの支払いも約130万ドル(約1億8000万円)生じるという。それを踏まえ、同紙でエンゼルス番を務めるジェフ・フレッチャー記者は「ジオリトとロペスのトレードにより、エンゼルスは2億3300万ドル(約326億2700万円)というぜいたく税の課税ラインを超えることになる」と伝えた。
米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は、課税ラインの超過について「エンゼルスのオーナー、アート・モレノにとってこれは初めてのことだ」と強調。大谷翔平、マイク・トラウトと2大スターを抱えているとはいえ、決して金満ではなかったエンゼルスが打った勝負手の意味は重い。
この日は、球団が大谷をトレードで放出しないと決断したとの報道も。目指すは9年ぶりのプレーオフ進出だが、現在ワイルドカードで進出圏内からは4ゲーム差。厳しい状況なのは間違いないが、一縷の望みがあるのならぜいたく税だって払う……。その覚悟の表れともいえる。
日米のファンは驚きを持って受け止めた。「これはエンゼルスが行った最も衝撃的なトレードだ」「モレノオーナーの本気度合いが見て取れますね」「もう来年以降焼け野原になるとしてもやるしかない」。希望を見出そうともがく球団の背中を押す声は確かにある。
ただ、一歩間違えれば大きすぎる代償を払うことにも。「エンゼルスがオオタニに残留をアピールするためにこうしたのは理解できる。これでプレーオフを逃し、オオタニがFAで出ていったら最悪だ」。ファンの懸念を杞憂に終わらせるためにも、エンゼルスは勝ち続けるしかない。
(Full-Count編集部)