「日やけ止め」を“当たり前”に 野球のパフォーマンスも向上…効果的な紫外線対策

紫外線対策講座を受ける元女子プロ野球選手の加藤優さん【写真:片倉尚文】
紫外線対策講座を受ける元女子プロ野球選手の加藤優さん【写真:片倉尚文】

「コーセー」が女子中学野球チームに日やけ止めの適切な使い方を伝授

 野球少年少女にも浸透しつつある「日やけ止め」。その効果を最大限に高めるにはどう使えばいいのか。化粧品大手「コーセー」は先日、女子中学硬式野球チーム「西湘Future」「スルガマリンガールズ」の選手を対象に「紫外線対策講座」を神奈川・秦野市で実施。タイプ別の使用方法や塗り方を選手に伝授した。

 一般的な化粧品店や日用品の売り場にある日やけ止めには、大きく分けて5つのタイプがある。カシャカシャ振ってから使う「シェーキングタイプ」はみずみずしい心地よさが特長。なめらかに伸び広がる「ジェルタイプ」は潤ってべたつかない。この2つが屋外レジャーやスポーツに最適とされる。

 塗り直しに便利なのが「スティックタイプ」と「スプレータイプ」。スティックタイプは直塗りできるので手が汚れない。「スプレータイプ」は髪にかける時にも使いやすい。もうひとつが「敏感肌用」。コーセー美容開発部の戸塚みくりさんは「肌あれした時にこそしっかり使用してほしい」と訴える。

 塗り方は、顔の場合は直径15ミリくらい(シェーキングタイプの場合)を手の平に取って全体に広げる。手の平全体で顔全体にむらなく、中心から外側に広げて伸ばす。鼻や口の周りなど細かい部位は指の腹を使って伸ばしていく。たっぷりむらなく塗ることが大事だという。

 腕に塗る場合は、腕から手の甲まで一直線に“直塗り”。手の平全体で大きく円を描くようにむらなく伸ばしていく。肌がしっとり濡れるくらいが目安だ。

コーセーの社員が「紫外線対策講座」を実施【写真:片倉尚文】
コーセーの社員が「紫外線対策講座」を実施【写真:片倉尚文】

元女子プロ野球選手の加藤優さん「私の頃は知識がなかった」

 日やけしやすい部分は額、鼻の頭、頬骨など。アンダーシャツでは覆い隠せない部分、前腕や手の甲、さらに耳や胸元、首の後ろなども注意して塗っておきたい。短パン、サンダルなど普段着の場合は膝から太もも、ふくらはぎ、足の甲などにも注意を払いたい。

 汗をかいたら、汗を拭いて塗り直すことも重要。日やけ防止効果のない汗拭きシートなどを使用した場合も同様だ。2~3時間で塗り直すことも頭に入れておきたいポイントになる。髪の毛も紫外線を浴びると、乾燥やごわつきの原因になるためスプレータイプで対処したい。雨の日も「紫外線は降り注いでいるので、必ず塗ってほしいと思います」と戸塚さんは語る。

 日やけ止めには肌を守り、パフォーマンス向上にもつながる効果がある――。今回の講座で新たな発見をした選手たちは「これから使ってみたいと思いました」「しっとりして肌になじむ感じでした」「いいにおいがしました」と感想を語った。

 西湘Futureを率いる加藤文彦監督は「推奨していきたい。パフォーマンス向上につながればと思います」と述べた。近年は長いアンダーシャツを着るなど、日やけ対策への意識が高い選手も増えてきたという。

 加藤監督の娘で、元女子プロ野球選手の加藤優さんも講座に参加。「私が学生の頃はこうした知識が広まっていませんでした。こういう知識があると、レベルも上がっていくと思います」と話した。今後、野球界は日やけ止めを使うのが当たり前の時代になっていくのかもしれない。

(片倉尚文 / Naofumi Katakura)

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