プロ注目の大型遊撃手は「粗削り」な“原石” 上田西の指揮官が語る急成長の要因

上田西・横山聖哉は甲子園で5打数1安打だった
上田西・横山聖哉は甲子園で5打数1安打だった

上田西・横山聖哉は通算28発、遠投100メートルの遊撃手

 第105回全国高校野球選手権が6日に開幕。第1試合では上田西(長野)が、土浦日大(茨城)に延長10回タイブレークの末に3-8で敗れた。プロ注目の大型遊撃手・横山聖哉内野手(3年)は5打数1安打に終わったが、好守を披露。吉崎琢朗監督は“主体性”がこの1年間の成長要因と語った。

 昨夏は優勝候補として長野大会に臨むも、期間中にチーム内で体調不良者が相次ぎ準決勝で敗退。やりきれない思いを糧にしてチームは成長を遂げた。タイブレークの延長戦で力尽きたものの、9回まで大接戦を展開。吉崎琢朗監督は「内野ゴロも多かったですし、バッテリーを中心によく頑張ってくれた。長打も打たれましたけど、上田西の野球ができました」と前を向いた。

 打っては高校通算28本塁打、投げては最速148キロ、遠投100メートルの強肩。今秋のドラフト会議で上位指名が期待されている横山も、成長を遂げた1人だ。2年生ながらレギュラーとして挑んだ昨夏、体調不良で長野大会準決勝にベンチ入りできなかった。

 吉崎監督は、横山がドラフト戦線に急浮上した要因について「体力や筋力的な成長もあります」とした上で、「自分で考えて、何が足りない、次に何をしないといけないと考えられるようになりました。(指導者から)言われる前に、客観的に自分で(考えて)設定できるようになったと思います」と語った。

 横山は「3番・遊撃」でフル出場。打撃では5打数1安打と相手投手陣に苦しめられたが、守備では随所に好プレーを見せた。指揮官も「平常心を保てて、守備では良い動きをみせていましたし、攻撃では4打席目に彼の特徴である強い打球(中前打)を飛ばしていました」と評価した。

 ただ、「まだまだ粗削り」と原石であることを強調。「スケールの大きい選手だとは思います。チームの仲間からさらに信頼されて、見ている人たちを魅了できるような選手になってほしい」と、次のステージでのさらなる成長を期待していた。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY