ため息の指揮官に突っ伏したGM…やっと実ったエ軍の“積極補強” ロッカーに戻った笑顔
ジオリト、ムスタカスら補強組も活躍、連敗を7で止めたエンゼルス
■エンゼルス 7ー5 ジャイアンツ(日本時間9日・アナハイム)
長いトンネルから抜け出した。大谷翔平投手の所属するエンゼルスは8日(日本時間9日)の本拠地でのジャイアンツ戦に7-5で勝利し、連敗を7で止めた。ただ、未だ借金「1」でワイルドカードでのポストシーズン進出圏内まで7ゲーム差と厳しい戦いに変わりはないが、クラブハウスには久々に笑顔が戻った。
試合後、会見場に現れたフィル・ネビン監督は、席に着くとホッと大きく息を吐いた。6日(同7日)のマリナーズ戦は判定に納得いかず、机をたたいた。前日7日(同8日)は9回にまさかの6失点逆転負けで放心状態。この日は、いつもの表情が戻った。「あれだけ連敗していたら、(クラブハウスの)部屋の中を悩ませるし、みんなも傷つく」。本音も漏れた。
1日(同2日)のトレード期限までチームは買い手に回り、積極補強を敢行。それにも関わらず、まさかの7連敗。この日も、2点リードの8回に2ランを被弾し、1点差に迫られた。映像には顔を突っ伏しうなだれるペリー・ミナシアンGMの姿もあった。試合前時点ではトレード期限後、勝ち星がなかったのはエンゼルスとダイヤモンドバックスの2球団のみだった。
ついに補強が功を奏した。先発のルーカス・ジオリト投手が6回3安打3失点と試合を作り、打線もマイク・ムスタカス内野手が2安打2打点。8回無死一塁から登板したドミニク・リオン投手は先頭のフローレスに2ランを浴びるも、そこから1人の走者も出さなかった。不安定な投球が続いていたカルロス・エステベス投手に変わって守護神として9回のマウンドを3人で締めた。
試合後のロッカールームには選手だけでなく、球団スタッフ、記者たちにも活気が戻っていた。大谷もロッカーが近いホセ・ソリアーノ投手と笑顔で話し、がっちり握手をしていた。野球専門の米データサイト「ファングラフス」が算出したプレーオフ進出確率は「1.6」と絶望的だが、ジオリトも「ここ(エンゼルス)に来てまだ時間は短いけど、勢いに乗っていけるし、うまくやっていく力があると僕にはわかるんだ」と諦めていない。このまま、勝ち星を積み重ねていくだけだ。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)