編入から“試練の1年”乗り越え聖地で躍動 プロ注目の大型遊撃手が流した涙

大会5日目第1試合、東海大熊本星翔は浜松開誠館(静岡)に2-5で敗れ聖地を去った【写真:荒川祐史】
大会5日目第1試合、東海大熊本星翔は浜松開誠館(静岡)に2-5で敗れ聖地を去った【写真:荒川祐史】

チームは逆転負けも…百崎は仲間たちに感謝

 第105回全国高校野球選手権記念大会が10日、阪神甲子園球場で行われ、大会5日目第1試合は東海大熊本星翔が浜松開誠館(静岡)に2-5で逆転負けした。プロ注目、高校通算39発の走攻守そろった遊撃手、百崎蒼生(3年)は初回に先頭打者として二塁打を放つなど、4打数2安打1四球と初の甲子園で躍動した。

 3点を追う9回無死の最終打席、二塁へのゴロを放ち全力で一塁にヘッドスライディングすると涙が止まらなかった。「このチームが終わりと考えると……グラウンドで楽しくみんなで野球をする姿を思い出し、こみ上げました。楽しかった思い出が一番強いです」とチームへの感謝を口にした。

 百崎は、強豪・東海大相模(神奈川)で1年から主力として試合に出場していたが、地元・熊本の東海大熊本星翔に2年の5月に転入した。日本高校野球連盟の規定で、転入先の学校で1年間は公式戦に出場できず。“試練の期間”も乗り越え、最後の夏に聖地へたどり着いた。

 編入してからこれまでは「苦しい1年間だったけど、色々な方が支えてくれて、受け入れてくれて、甲子園という舞台で高校野球を終わることができたので、本当に良かった」と振り返った。注目の今後について、プロ志望届提出の明言は避けたが「プロ野球選手になりたいなというのは、小さいころから今まで変わってないです」と将来的な目標も口にし、前を向いた。

(森大樹 / Daiki Mori)

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