過去2度優勝の強豪、初戦敗退で得た教訓 大所帯で感じた運営の難しさ

多賀少年野球クラブの辻正人監督(中央)【写真:片倉尚文】
多賀少年野球クラブの辻正人監督(中央)【写真:片倉尚文】

多賀少年野球クラブは大崎ジュニアドラゴンに逆転負けを喫した

 小学生の甲子園と呼ばれる「高円宮賜杯第43回全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント」で、2018年、2019年大会覇者の多賀少年野球クラブ(滋賀)が、初戦で敗れた。辻正人監督は公式戦を勝ち抜くことの難しさを選手に伝え、「全力集中で勝ち続けてください」と6年生にエールを送った。

 多賀少年野球クラブは、7日の2回戦で大崎ジュニアドラゴン(宮城)と対戦。2点リードで迎えた最終回の6回に3点を奪われて逆転された。2死一、二塁で右翼線に放たれた長打。中継が乱れ、送球ミスも続き、打者走者の生還も許した。その裏に2死から好機を作ったが、及ばなかった。

 この大会での初戦敗退は2017年以来、2度目。今年のチームは練習試合でもほぼ負けることがなく「個々の能力は高い。優勝を狙えるチーム」と辻監督も自信を持って臨んでいた。だが、試合ではなかなかリズムに乗り切れず、最終回に逆転を許した。

 試合後に実施したミーティング。「こういう場面で力を発揮できなかったら成長していないのと一緒。今までは苦しみながらも乗り切る精神力やチームワークが選手にあったが、今年はなかった」と敢えて選手に厳しい言葉を投げかけた。

 部員数がトータルで100人を超える大所帯。改めてチーム運営の難しさを感じたという。「人数も増えて、勝てるだろうという思いが、子どもたちも勝てるという油断があったのかもしれません。(球場へ)出発する前から気になっていました」と語る。

 6年生にはエールを送った。「全員が同じ方向を向いていないとうまく回らない。中学、高校ではこの反省を生かして、全力集中で公式戦を勝ち続けてください」。手痛い敗戦が今後の野球人生においてプラスになるよう願っていた。

(片倉尚文 / Naofumi Katakura)

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