高校通算31発が描く“未来”「プロが最終目標」 届かなかった夏1勝も「感謝しかない」
佐々木や真鍋と「同じ記事に」…甲子園の思い出
第105回全国高等学校野球選手権記念大会が12日、阪神甲子園球場で行われ、大会7日目第3試合は2年連続9回目の出場となった九州国際大付(福岡)が0-3で土浦日大(茨城)に破れ、甲子園で勝利を挙げることはできなかった。プロ注目のスラッガー、佐倉侠史朗内野手は「4番・一塁」で先発出場したが、4打数1安打でノーアーチに終わった。
九州国際大付は3回に本塁打で先制されると、7回にも3連打を浴び3点のリードを許した。プロ注目の佐倉は左飛、二直、三振と3打席目まで高校屈指の打棒は影を潜めた。最終回の第4打席で待望のヒットが飛び出し、9回2死二、三塁と反撃を見せるも万事休す。0-3で幕を閉じた。
佐倉は、1年生の頃から甲子園を経験してきた。それでも夏1勝は遠かった。試合後、佐倉は「これまで野球人生で関わってくださったみなさんの顔が浮かびますし、負けてしまいましたが感謝しかないです」と口にした。「(打てなかった)悔いは正直ありますが、ここ(甲子園)に出られた嬉しさの方が大きいです」と初戦敗退も清々しい表情だった。
高校通算31本塁打を誇るスラッガーは、花巻東・佐々木麟太郎内野手、広陵・真鍋慧内野手らと並ぶ“高校四天王”や“高校BIG3”として注目されてきた。比べられるような選手ではないと謙遜しながらも「同じ記事に載せてもらったことは高校野球の思い出」と振り返った。
「気にするなと言われてもどうしても気にしますし、自分よりも全然すごい選手で。ああいう選手がいるからチームの勝利に近づくと思いますし、そういう選手に自分がなれなかったのは、悔しい部分ではあります」と佐々木らの凄みを語りながらも、敗戦の悔しさを前に出した。
今後の進路について聞かれると「まだ相談中ですが、自分としてはそういう場所(プロ)でプレーしたいです。野球人としてプロが最終目標だと思います。もし行けなくてもどんな場所でも全力でプレーするのが大切だと思います」と、プロ志望の気持ちを明かした。
最終決定は家族や監督、コーチらと相談して決める。ただ、意識はすでに次の舞台に向かっていた。
(木村竜也 / Tatsuya Kimura)