大谷翔平の本塁打はなぜ止まった? 狙われている弱点…裏付ける攻め方の“変化”
7試合連続ノーアーチ…“苦手”としているスライダーの割合が増加
■アストロズ 11ー3 エンゼルス(日本時間12日・ヒューストン)
エンゼルスの大谷翔平投手は11日(日本時間12日)、敵地・アストロズ戦に「2番・指名打者」で先発出場し、4打数1安打だった。これで3日(同4日)の本拠地・マリナーズ戦で40号を放って以来、今季ワーストタイとなる7試合連続ノーアーチとなった。シーズン終盤に向けて、警戒が強くなるのは必然。データで見てみると、8月に入って相手の攻め方に変化が表れていることが分かる。
MLBの公式データサイト「Baseball Savant」によると、大谷は試合前の時点で、フォーシームの打率は.393と得意にしているが、スライダーは打率.238と比較的苦手としている。スライダーは今季フォーシームの12本に次いで9本を本塁打としているが、長打率を見ると、100球以上投じられている変化球(スライダー、チェンジアップ、シンカー、カッター、カーブ)の中では最も低い.571となっている。
そして8月の前半は、配球の割合に変化が見られる。月別で見ると、4月〜7月は大谷に対する配球で一番多い割合を占めていたのがフォーシームだったが、8月になってスライダーが29.2%と増え、フォーシームの割合(25.5%)を上回っている。実際、8月はスライダーに8打数無安打7三振で打率は.000。この日もサイ・ヤング賞3度のジャスティン・バーランダー相手に第2打席はスライダーで空振り三振を喫し、逆に第3打席では得意のフォーシームを中前打にした。
シーズンも後半戦で、相手チームもデータから弱点を付いてくるはずだ。四球も増え、1球1打席の重要度が高まってくる。MVPを獲得した2021年も苦しんだ“8月の壁”を越えることができるか。