おかやま山陽、好投手撃破のカギは「無視」 目標の3勝へ“シンプルな攻略策”
岡山県勢は11年ぶりのベスト8進出
第105回全国高等学校野球選手権大会は17日、阪神甲子園球場で大会11日目の4試合が行われ、第3試合はおかやま山陽(岡山)が7-2で日大三(東京)を下した。堤尚彦監督は「ちょっと信じられない。夢のようです」と目を丸めた。
初回に4番・土井研照捕手(3年)の中犠飛で1点を先制すると、2回にも9番・西野彰人投手(3年)の左前適時打で1点を追加。さらに2-1で迎えた5回裏に、西野の左前適時打を含む5安打で一挙4点をあげてリードを広げた。日大三の好投手・安田虎汰郎投手(3年)から5回までに10安打6得点。投げては、西野、三宅一誠投手(2年)、井川駿投手(3年)の継投リレーで、強打の日大三打線を6安打1失点に抑えた。
シンプルな攻略策が見事にハマった。140キロの直球とチェンジアップで翻弄する相手右腕・安田に対し、「(チェンジアップは)見極めるというか、手を出してもしょうがないんで、無視です」と割り切り、狙い球をストレートに絞った。ただ、「どれだけ(ストレートが)伸びるのかが分からなかった。伸びは練習で(再現)できないので」と不安も残したが、「思っているより上を振ろう」という意識が功を奏した。
さらに、約8年前に同じ岡山の強豪私立である創志学園の元エース・高田萌生投手(現楽天)を打ち破るために始めた150キロ対策の打撃練習を代々受け継ぎ、目標にしていた「甲子園3勝」を達成した。「神がかっていたというか、不思議な試合でした」と指揮官。岡山県勢11年ぶりの8強入りを噛み締めた。
(喜岡桜 / Sakura Kioka)