仙台育英の牙城を崩せるか…カギ握る左腕、試合巧者の慶応に継投はまるか 準決勝展望
仙台育英は4試合で51安打&40得点、神村学園の左腕・黒木が好調
第105回全国高校野球選手権は21日に準決勝が行われる。第1試合では大会連覇を狙う仙台育英(宮城)と神村学園(鹿児島)、第2試合では慶応(神奈川)と土浦日大(茨城)が激突する。
仙台育英は夏連覇へ向け、しっかり歩を進めてきた。1回戦は浦和学院(埼玉)から19点を奪って大勝するなど4試合で計51安打、40得点、尾形樹人捕手が2本塁打を放つなど、計4本塁打を記録している。1番の橋本航河外野手は毎試合マルチ安打(3、3、2、2安打)で打率.625(16打数10安打)。昨年大会でも12安打を放っており、夏の甲子園通算22安打としている。
投手では昨年の優勝を経験している高橋煌稀、湯田統真、仁田陽翔が健在。背番号「10」の湯田が4試合のうち3試合に先発し、今大会の中心になっている。起用人数は1回戦から3、3、2、4人。準決勝ではどんなリレーが見られるだろうか。
初の夏4強入を果たした神村学園も打線が好調で、3回戦まで2桁得点(10、11、10点)。おかやま山陽(岡山)との準々決勝は7回まで0-0も8回に5点を奪って決着をつけた。4試合で49安打を放っている。
失点は4試合で計7。左腕・黒木陽琉は今大会は4試合全てに救援登板し、計16回1/3を投げて6安打19奪三振1失点と好投を続けている。黒木の投球が試合の鍵を握ることになりそうだ。鹿児島県勢はまだ夏の甲子園優勝がない。1994年に準優勝した樟南以来、県勢29年ぶりの決勝進出はなるだろうか。
1920年以来4強の慶応、土浦日大の指揮官は1984年夏の全国優勝メンバー
第2試合に登場する慶応は新たな歴史を刻んだ。夏の甲子園4強はなんと1920(大正9)年の第6回大会以来。「慶応普通部」として出場し、準優勝を果たした。1世紀を超えて進撃を続けている。
3試合で33安打22得点。3回戦で広陵(広島)を延長10回で破り、沖縄尚学との準々決勝では大会屈指の右腕・東恩納蒼投手を中盤に打ち崩して逆転勝ちを収めた。5番の延末藍太内野手は広陵戦で5打点をあげるなど、打率.429(14打数6安打)、1番の丸田湊斗外野手は毎試合2安打を放って打率.462だ。
清原勝児内野手の存在も見逃せない。今夏は3打数無安打だが、打席に入ると球場の雰囲気が変わる。甲子園通算最多の通算13本塁打を放った和博氏(元西武、巨人など)の次男。準決勝でも出番があるか、父子制覇に近付けるか、注目される。投手では右腕・小宅雅己、左腕・鈴木佳門の2年生コンビが奮闘。小宅は全試合に登板(2先発)で14回を投げて2失点だ。
土浦日大は春夏通じて初の4強進出。専大松戸(千葉)との3回戦では3回までに6点差をつけられながらも逆転勝ちするなど、4試合で45安打30得点の攻撃力が持ち味だ。5番の松田陽斗内野手は2本塁打を放つなど好調。八戸学院光星(青森)との準々決勝では4打数4安打3打点と打ちまくった。
エースの左腕・藤本士生は上田西(長野)との1回戦に先発した後、2回戦からは救援に回り、22回2/3を投げて防御率1.19。専大松戸戦では6回1/3を無失点、八戸学院光星戦では5回2/3を1失点と安定した投球を披露している。小菅勲功監督は1984年夏に全国制覇した取手二のメンバー。選手に続き監督での優勝に近付けるか。
(Full-Count編集部)