慶応主軸の弟が一足早く快挙達成 兄は聖地で躍動…ダブル日本一へ延末家の“熱い夏”

世田谷西シニア・延末遵太【写真:加治屋友輝】
世田谷西シニア・延末遵太【写真:加治屋友輝】

世田谷西シニア延末遵太の兄・藍太は慶応で活躍…甲子園で決勝進出

 自慢の兄2人に追いつき、追い越すことが目標だ。中学硬式野球の日本一を決める「第17回全日本中学野球選手権大会 ジャイアンツカップ」は21日、東京ドームで決勝が行われ、世田谷西シニア(東京)が4年ぶり3度目の優勝を果たした。控え捕手の延末遵太(じゅんた・2年)は、慶応高校(神奈川)の5番打者として甲子園で活躍する延末藍太(あいた・3年)の弟。兄より一足早く“全国制覇”を果たした遵太も23日の甲子園決勝に駆け付け、兄弟全国制覇へエールを送るという。

 遵太には兄がもう1人いる。長男の勧太(かんた、日体大2年)さんも横浜高(神奈川)時代の2021年夏に甲子園出場。“延末3兄弟”の末弟である遵太は、野球一家の中で力をつけてきた。「気付いたらバットとボールを持っていました。お父さんの指導のお陰で、3人はここまで野球をやってこられたと思っています。目標は兄に続いて甲子園に出場することです」。

 小学校では兄2人も所属した学童チームの「不動パイレーツ」で活躍し、小6時にはジャイアンツジュニアに選出された。中学でも兄の背中を追って世田谷西シニアに入部した。

 体格も170センチ、65キロまで成長。打撃に関しては同じ右打ちの勧太さんの影響を受けることが多く「シンプルにボールを引きつけて逆方向に打つバッティングを真似たりしています」。左打ちの藍太については「独特なバッティングフォームなので、ちょっと参考にならないです」と笑った。

延末一家の母・直子さんは都内の自宅と甲子園を往復の日々

 全国屈指の強豪である世田谷西で2年からベンチ入り。3兄弟を指導してきた吉田昌弘監督の評価も高い。「遵太は本当にいい選手。延末家で一番動ける。お兄ちゃんたちのいいところを持っている感じです」。

 17日の東海中央ボーイズ(愛知)との2回戦で「7番・捕手」でスタメン起用するなど、最上級生となる来年の中軸選手として期待を寄せ、経験を積ませている。遵太自身も「先輩たちの粘りは凄かった。来年に向けてこの経験を同級生に伝えていきたい」と話した。

 現在行われている夏の甲子園で、藍太は全4試合でヒットを放ち、打率.389(18打数7安打)の活躍。決勝進出に大きく貢献している兄に、遵太は「あんなに打つなんて、凄いです」と目を輝かせる。

 兄弟が同時期に全国舞台で活躍する延末家。最も忙しいのは母・直子さんだという。東京都内の自宅と甲子園を往復。この日も遵太の朝食を作った後に甲子園へ向かったそうだ。「母には感謝しかありません」と遵太は話す。23日の決勝戦は遵太も現地で観戦予定。「ここまで来たら優勝してほしいです」。延末兄弟の“同時全国制覇”なるか、注目だ。

(内田勝治 / Katsuharu Uchida)

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