坂本勇人の“代役”→12球団No.1の圧倒数値「11.3」 8月ほぼ4割…巨人22歳の急成長

巨人・門脇誠【写真:矢口亨】
巨人・門脇誠【写真:矢口亨】

巨人ドラ4・門脇誠は内野に不可欠…吉川離脱後は二塁も担う

 巨人のルーキー・門脇誠内野手が、攻守で躍動している。遊撃や三塁で見せる躍動感あふれる守備力はデータにも表れており、12球団ナンバーワンを記録している指標も。さらに、6月まで打率.169と課題だった打撃面も徐々に対応力を見せ、8月はここまで月間打率.395と頼もしい。(記録は8月24日時点)

 創価大からドラフト4位で加入した門脇は、オープン戦で打率.286をマーク。開幕1軍を掴み取り、シーズン序盤は守備固めを中心に出場してきた。6月に坂本勇人内野手が「右大腿二頭筋長頭肉離れ」で離脱して以降は、遊撃でのスタメン起用が増加。坂本の復帰後には、岡本和真内野手が一塁に回り、門脇が三塁を守る機会も多くなった。ここまで94試合に出場し、打率.249、2本塁打、16打点、8盗塁をマークしている。

 存在を広く知らしめたのは、やはり守備。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータで、守備全般での貢献を示す指標「UZR(Ultimate Zone Rating)」を見てもよくわかる。三塁手(規定未到達も含む)の中では、12球団トップの「11.3」を記録。実に11失点防いだことになり、リーグで次点の広島・田中広輔内野手の「6.0」と比べても突出している。

 外野に抜けそうな三遊間への鋭い打球を横っ飛びで好捕――。ファンの目に焼き付いている躍動ぶりは、データでも証明されている。守備範囲を表す「RngR(range runs)」でもリーグトップの「8.7」を誇る。

 夏前までは“守備の人”だったが、シーズン後半に向かうにつれて打席でも存在感を発揮してきた。7月は月間打率.283をマーク。8月はさらに調子を上げ、20試合で43打数17安打、打率.395と打ちまくっている。今月23日のヤクルト戦(東京ドーム)では3安打猛打賞の活躍を見せ、好走塁でチームのサヨナラを呼び込むなど、チームへの貢献度は日に日に高くなっている。

 二塁手の吉川尚輝内野手が新型コロナウイルスに関わる「特例2023」で1軍登録を抹消された23日以降は、2試合連続で二塁でスタメン出場。もはや穴埋めどころか、内野に欠かせないピースになっている。安定した守備力、そして打撃でも急成長を見せる門脇が、シーズン最終盤に向かう巨人を加速させる。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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