回収されたスタメン表…騒然となった大谷翔平の欠場 「大丈夫」発言の裏で起きた悲劇
試合後、ネビン監督は「かなり痛そうだった」と現状を説明
■オリオールズ 6ー3 エンゼルス(日本時間5日・アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手は4日(日本時間5日)、本拠地・オリオールズ戦を右脇腹の張りで欠場した。試合後の取材に応じたフィル・ネビン監督の顔は険しく、翌5日(同6日)に検査をするとしたが「かなり痛そうだった」と話すのみで、今後の方針について明言は避けた。
試合開始の約1時間半前、記者席に球団広報が来てスタメン表を回収した。「スクラッチか?(先発を外れるのか?)」の問いにもバツが悪そうに言葉を濁すだけだった。その数分後、新しいスタメン表が配られる前に、エンゼルス、オリオールズの両地元メディアがこぞって大谷の欠場を伝えた。
エンゼルス番記者の多くは異変が起きた瞬間を見ていなかった。大谷は7月7日(同8日)の敵地ドジャース戦以来、約2か月ぶりに行った屋外フリー打撃で、ハーフスイングをした際に、顔をしかめそのままベンチ裏に下がっていった。この時、球場のスイートルームでは代理人のネズ・バレロ氏が今後の方針について語り、「皆さんにお伝えしたいのは、ショウヘイ(の今後)は大丈夫ということだ」と強調していたばかりだった。
試合後のクラブハウスに大谷の姿はなく、ネビン監督も「明日検査する」としか話していない。試合前の時点で今季チームトップの135試合に出場。欠場はわずかに2試合だった。バレロ氏は「疲労についての話題は誇張されているように感じている」と話していたが、結果的に新たな怪我につながってしまった。
バレロ氏は今後の方針について、右肘の内側側副靱帯再建術(トミー・ジョン=TJ手術)以外の方法も検討していることを示唆していた。一方で、仮にTJ手術をする場合、現時点で行えば、来季の開幕に打者として間に合う可能性が高い。大谷がどういう決断をするのか――。二刀流が新たな試練にぶつかっている。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)