西武が進める新たな“原石”獲得の形 科学の目を重視…入団テストで求めた一芸選手
35人が参加した西武の入団テスト…午前はフィジカル系の数値測定に費やした
西武は2日、所沢市内の球団施設で入団テストを実施。書類及び動画による審査を通過した35人が参加した。球団が求めるのは“一芸”に秀でた選手。実技だけではなく反応力、敏捷性など様々な数値を測定し、能力の把握に努めた。10月26日のドラフト会議では、参加者の中から複数の選手が指名される可能性があるという。
多角的に数値を測定し、選手の潜在能力を見い出す。独立リーガーから高校生まで個性豊かな選手が揃った入団テストは午前、様々なフィジカルメニューが組まれた。50メートル走、垂直飛び、メディシンボールの投げ上げ、信号の指示によって体を動かして反射・反応力を測るテスト、最大出力を測定するための“バイクこぎ”……。それぞれ数値を測定し、35人のデータが蓄積された。
様々なフィジカル系のメニューを実施するのは、人間の目では見抜きにくい能力を科学的に見い出そうという意図がある、視察した潮崎哲也編成グループディレクターによると、西武の選手の数値と比較しながら合否の参考にしていくという。「今はデータを蓄積している段階。こういう数値の選手はこう伸びていくとか、試行錯誤しながら進めています」と明かした。
昨年実施したテストでは、秋の育成ドラフト2位で指名した日隈モンテル外野手が参加していた。四国IL徳島ではテストの数か月前まで投手だったが、足や肩に目が留まった。「モンテルも投手でしたから。色々な角度から選手を見ています」と潮崎氏は力を込める。
テスト参加者から「何人もドラフトにかかると思います」
昨年のテストでは足の速い選手を第1にリストアップしたが、今年はやや趣が異なる。「足だけではなく一芸を持った選手ですね。長打を打てる選手、球の速い選手……色々います。面白い選手はいますよ」と潮崎氏は言う。
西武は今後、3軍制をより充実させていく方針。現状では3軍が十分な試合をこなせないため、育成選手の拡充が見込まれている。そうした観点からも、テスト参加者の中からドラフト指名される可能性は十分にありそうだ。「何人もドラフトにかかると思います。伸びしろのある選手を獲りたいですね」と潮崎氏は語った。
科学の目を重視して潜在能力の発掘に努め、より伸びしろのある選手を獲得していこうという試み。入団テストの新たな形が生まれつつある。
(片倉尚文 / Naofumi Katakura)
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