原因は“増量”? 戦力充実の世界一球団に漏れる不満の声…指揮官は全面否定
2年連続世界一を目指すアストロズ…中堅手起用に球団内部から不満が
今季もア・リーグ西地区首位をひた走る、2022年ワールドシリーズ王者のアストロズ。2年連続の“世界一”に向けて盤石のようだが、球団内からはダスティ・ベイカー監督の選手起用について“不満の声”が出ているようだ。米メディアが、指揮官と選手のコメントを交えて伝えている。
米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のアストロズ番チャンドラー・ローム記者が7日(日本時間8日)に公開した記事によると、不満は、97試合の出場で打率.285、20本塁打を放っているチャズ・マコーミック外野手の起用法についてだという。「(球団内で)彼より打席が多いのは6人。彼より多くの試合に出場しているのは7人いる」と、打撃が好調ながら十分な機会が与えられていないことを指摘した。
ベイカー監督は、「もしフリオ・ロドリゲスがチームにいれば簡単なこと。彼を中堅に置くだけだ」と、2年連続「25本塁打-25盗塁」をマークしたマリナーズの22歳スター外野手の名前を挙げて、チーム内に“絶対的な中堅手”がいないと語っているが、ローム記者は、6日(同7日)の試合前時点でマコーミックがロドリゲスよりもOPSで.050ほど上回っていることに言及し、「彼の散財的な出場時間は、球団内の何人かにとっての絶え間ない不満の元となっている」と記している。
ではなぜ、指揮官はマコーミックを常時起用しないのか。球団関係者は「体重が原因では」と指摘しているようだ。米データサイト「ベースボール・リファレンス」では、28歳外野手の体重は208ポンド(約94.3キロ)となっているが、今年は増量していると本人が認めており、「体の強さを感じるよ。普段は216ポンド(約98キロ)だが、220ポンド(約99.8キロ)あればもっと活躍できる気がする」とのコメントを紹介。その増量の取り組みに、監督は納得していないのでは、というのだ。
監督は“増量原因説”をキッパリ否定「完全に余計なことだ」
しかし、ベイカー監督には明確な意図があるようだ。記事では「OPSが全てではない。打撃が全てではない。勝利のために、可能な限り多くの選択肢が欲しいものだ」との指揮官のコメントを紹介。マコーミックもまた、「彼(監督)の求める通りに仕事をするだけさ」と語っていると綴られている。
そして「チャンピオンになるチームには層の厚みがある。今季の大半で、ヒューストンにはそれがなかった」とも記事は指摘。実際のところ、ベイカー監督は今季のアストロズはベンチ要員の経験不足を常々口にしており、マコーミックや強打の捕手ヤイネル・ディアスをベンチに置くことで生まれる利点を記事は強調した。また、ユーティリティであるマウリシオ・デュボンの中堅における守備力をベイカー監督が評価しているともしている。
ちなみに、増量が原因かについては、翌日の試合前に取材に対応したベイカー監督が、「(記事の)情報の出所が全くわからない。完全に余計なことだ」とキッパリ否定している。強打者マコーミックが常時出場とならないところにも、アストロズの戦力の充実ぶりが表れているといえそうだ。
(Full-Count編集部)