獲得できれば“遊撃10年安泰” スカウト大絶賛…明大3年生の争奪戦「今年でも1位」

明大・宗山塁【写真:中戸川知世】
明大・宗山塁【写真:中戸川知世】

広陵(広島)出身の明大3年・宗山塁、秋季リーグでトップタイの打率.533

 東京六大学野球秋季リーグで、3年生ながら早くもプロから熱い視線を浴びている遊撃手がいる。明大の宗山塁内野手。24日の早大2回戦には「3番・遊撃」でスタメン出場し、4打数3安打2打点1死球の活躍を見せた。同日現在、同僚の飯森太慈外野手(3年)と並びリーグトップタイの今季打率.533(15打数8安打)をマークしている。

 明大は初回に早大に1点先行を許したが、直後に相手先発の越井颯一郎投手(1年)をとらえ、1死二塁のチャンスを作った。ここで左打席に入った宗山は、カウント1-2と追い込まれながら、外角低めの142キロにバットを伸ばし、左翼線に弾む同点適時二塁打とした。

 3回無死一塁の第2打席でも左前打を放ち、続く4番・上田希由翔内野手(4年)の勝ち越しタイムリーをお膳立て。4回2死一、三塁での第3打席は、内角高めの球に詰まらされながら、しぶとく中前へ運び、三塁走者をホームに迎え入れた。

 3安打の“猛打賞”にも、宗山は「あまり納得はしていません。まだまだとらえ切れていない打球が多い」と不満顔だ。「1本目は、追い込まれてからコンパクトに打っていけたのは良かったのですが、狙った球をもっと早くとらえられたらと思います」と分析。3本目は「若干詰まったことが、幸いして外野手の前に落ちました」と理路整然と説明してみせた。「全部が全部、しっかりとらえたヒットを打てるわけではないので、そういうヒットも大事」とした上で、「もっとアジャストしていけると思います。中軸を任されている以上、上を目指していかないと」と貪欲だ。

広島の苑田聡彦スカウト統括部長「打撃も守備も走力も全てトップクラス」

 広島・広陵高出身で、1年春には早くもレギュラーの座を奪取。2年春には打率.429で首位打者に輝いた。走攻守に非の打ち所がなく、おまけにイケメン。既に、来年のドラフト会議での1位指名は確実とも言われている。それどころか、広島の苑田聡彦スカウト統括部長は「この秋にドラフトにかかったとしても、1位ではないでしょうか」と評し、「打撃も守備も走力も、全てトップクラス。バッティングで頭の位置がぶれないのがいいですね」と絶賛する。

 中日・八木智哉アマスカウトも「彼を獲得する球団は、ショートを10年任せられると思います」と見込んでいる。「遊撃守備では打球に対する反応が速く、難しい打球を簡単そうに処理するところが凄い」と指摘。「あとは打撃でプロの投手の球を見た時に、どうアプローチしていくか」と早くもプロ入り後の姿を思い描く。

 明大は昨年まで13年連続でドラフト指名選手を輩出し、今年も前出の上田をはじめ、村田賢一投手、蒔田稔投手、石原勇輝投手の4人がプロ志望届を提出済み。さらに来年もこの宗山が控えているのだから、まだまだ連続記録は途切れそうにない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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