通算250セーブ達成も…大事な“金字塔” 平野佳寿が憧れ続けるレジェンドの大台

日米通算250セーブを達成したオリックス・平野佳寿【写真:荒川祐史】
日米通算250セーブを達成したオリックス・平野佳寿【写真:荒川祐史】

平野佳が2日の日本ハム戦で29セーブ目をマークし日米通算250セーブを達成

■オリックス 3ー0 日本ハム(2日・京セラドーム)

 オリックスの平野佳寿投手が、史上4人目となる通算250セーブを達成した。2日に行われた日本ハム戦(京セラドーム)では3点リードの9回に登板し1安打無失点。日米で守護神として積み重ねた偉大な数字だが、本人のこだわりは「試合数」だという。そこにはベテランならではの理由があった。

 9回2死一塁。最後の打者・マルティネスを一邪飛に仕留めると、平野佳は両手を突き上げ喜びを爆発させた。ベンチから飛び出したナインからウォーターシャワーの手荒い祝福を受けると「素直に嬉しい。ただ、僕の大事なグラブを濡らしにきたので、ちょっと怒ってます」と、茶目っ気たっぷりに笑った。

 入団当初は先発からスタートしたが、5年目を迎えた2010年に岡田監督(現・阪神監督)の方針で中継ぎに転向。前年は3勝12敗と大きく負け越していただけに「選んでいる余地はなかった。それだったらこの世界にしがみついていけない。言われたところで全うしてやるだけ」と覚悟を決めた。

 その後は力のある直球と落差の大きいフォークを武器にリリーフエースとして活躍。2011年には43ホールドで最優秀中継ぎ、2014年には40セーブを挙げ最多セーブのタイトルを獲り球界を代表する投手に成長した。史上2人目の「150ホールド、200セーブ」も達成し、中継ぎとしてこれ以上ない成績を残している。それでも、本人はホールド数、セーブ数にはさほど興味は示さない。

「僕の中では何試合を投げたか。岩瀬さん(元中日)は1000試合を超えている。本当に凄いこと。ただ、試合を投げるだけかもしれないが、そこまでの準備とかケアも色々あるし、長年やっていかなきゃいけない記録だと思う。僕はそこを昔から凄くこだわっている」

 勝敗を左右する状況で投げるメンタルや体力。チームから必要とされなければマウンドに上がることはできない。ここまでNPBで685試合、MLBで150試合に登板。プロ野球の世界で800試合以上を投げたことに誇りを持っている。

 39歳となった今でも、その思いは変わらない。「もうちょっと頑張って(試合数を)伸ばしたい思いは強くある。ケガをしたり僕のせいでもありますけど、監督やコーチが投げさせてくれないというのもある。お願いしようかな(笑)」。節目の記録を達成しても「まだ引退するつもりはないので」と、ファンに約束したベテラン右腕は、これからもマウンドで輝き続けるはずだ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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