BC茨城の“元NHK職員”監督、西武スタッフに異例の転身 妻子あり、収入激減で話題に
挑戦の1年を振り返り「毎日壁にぶつかっている感覚でした」
独立リーグのルートインBCリーグ・茨城アストロプラネッツは11日、伊藤悠一監督が10月末をもって退任することを発表した。また、11月からは西武の「人財開発担当」として従事することも合わせて発表し、BCリーグの指揮官からNPB球団へ異例の移籍となる。
伊藤監督は静岡出身の36歳。日大三島、翌年に入学し直した御殿場南で野球部に所属していた。慶大進学後は陸上の十種競技に転向。卒業後はNHKに入局し、テレビディレクターを務めていた。2022年のオフに、茨城が前代未聞の「監督トライアウト」を実施して、99人の応募者の中から選ばれた。家族は妻と長女がいて、収入はNHK時代の1/4程度になるなど、道なき道を進む異色の存在として注目を集めていた。
伊藤監督は球団を通じ「全てが初めての事、思い描いたようにいかず、毎日壁にぶつかっている感覚でした」と就任からの1年間を振り返った。自身を“素人監督”と称して指揮を執った。「“人生を変える”ために、チャレンジする姿勢だけは失わないようにと、シーズンを通して戦ってきました。私が監督として過ごした月日が、球団や選手、ファンの皆様に何かを残せていたら幸いです」と自らの挑戦についてコメントした。
11月から務める西武の「人財開発」の業務については、「主に2軍3軍の練習・試合に帯同し、若手選手のマインドセットや考え方の形成など、育成面からチームを支えていきます」と説明。続けて、「オファーをいただいた時は驚きましたが、プラネッツでやってきた、学んできた事が活かせる舞台だとワクワクしています」と意気込みを語った。
伊藤監督の下で戦った茨城は今季、66試合で22勝43敗1分でサウスディビジョン最下位に終わっていた。