「もっと評価されていい」187発同僚羨む“武器” 1年目から残した吉田正尚の爪痕
吉田正尚の凄みを、ジャスティン・ターナーが解説
レッドソックスの吉田正尚外野手は、メジャー挑戦1年目から.289の高打率を残し、ア・リーグ打率ランキング5位に食い込んだ。日本から海を渡ったヒットマンの武器はどこにあるのか――。球宴選出2回、通算打率.288、通算187発を誇る同僚のジャスティン・ターナー内野手が“マサ”の凄みを証言した。
ターナーは、吉田の長所を「バットコントロールと打席での目ですね。ストライクゾーンとボールゾーンをきっちり見極められる。凄く良いところだと思う。むやみに振らないから、三振を取られる数も少ない」と絶賛した。
異国の地での活躍には「生活面も含めて全ての環境が変わるというのは大変なこと。(序盤は)ホームシックになることもあったと思う。だけど、それに対応して、新しいリーグ、新しい投手との対戦に関わらず、良いスタートが切れたんじゃないかな」と、経験豊富な38歳はにこやかに笑った。
打順が日々変更されるスタイルだった今季だが、吉田とターナーは前後を打つことが多かった。ネクストバッターズサークルで構える吉田を見ていたターナーは「彼の印象として、準備がすごい。いろんなデータを確認して映像を見ている。準備がしっかりできているので(2人で)話し込む必要はない」と、高いプロ意識に仰天の様子だった。
ストイックな吉田は、あまりグラウンドでは表情を変えないが「マサは真面目なところが多いんだけど、時々見せるお茶目なところも面白い」とターナーが明かす。
「1つの例として、右中間や左中間に打球を打った選手がいたら、ベンチから『三塁に行け!』と叫んでもらっている(笑)。二塁で止まる選手に向かっての反応が面白い。ベンチの雰囲気も良くなる。野球に関してはすごく真面目だけどね」
懸命にプレーする姿に「堅実な守備を見せてくれるのも良い。打撃も、もっと評価されていい。(今後は)メジャー全体にも『吉田正尚』の名前が切り込んでくる。今でもよく名前が出ているよ」と、メジャー挑戦1年目から140試合に出場し、打率.289、15本塁打、72打点、8盗塁の成績を残した同僚をたたえた。
(真柴健 / Ken Mashiba)