由伸撃破なら「面白いことに」 大逆転劇のロッテ、鍵は初戦…専門家がパCSを展望

オリックス・山本由伸(左)とロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】
オリックス・山本由伸(左)とロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】

オリックスは3年連続「投手4冠」のエース・山本で先勝を狙う

 パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが、18日から京セラドームで行われる。ファーストステージの第3戦を奇跡の逆転サヨナラ勝ちで突破したロッテは、リーグ3連覇のオリックスに立ち向かう。オリックスOBで、昨季までヤクルトでプレーした野球評論家の坂口智隆氏は「ロッテが一気に流れを掴む可能性もある」と展望を明かした。

 敗戦濃厚の状況からファイナルの切符を手にしたロッテ。CSファーストステージでは1勝1敗で迎えた第3戦では、3点を追う延長10回に藤岡の3ラン、安田のサヨナラ打で試合を決めた。これ以上ない展開でCSファイナル進出を決めたが、レギュラーシーズンで両チームの今季の対戦成績はオリックスが15勝8敗2分けと勝ち越している。

 オリックスはエースの山本をはじめ、キャリア初の2桁11勝をマークした山崎福、宮城、田嶋、今季ブレークを果たした東など、強力な先発投手陣が構える。12球団No.1の投手陣を誇る戦力に坂口氏は「絶対的エースの山本選手を筆頭に、シーズン通りの試合展開ができればオリックスに分がある。初戦の入り方を間違わなければ、そう点を奪えない」と指摘する。

 第1戦には3年連続で「投手4冠」を手にしたエース・山本がマウンドに上がる。「このレベルの投手はデータも関係ない。高い望みを言えば如何に球数を少なくして抑えられるか。先の試合を考えればリリーフ陣を休ませることが重要。山本選手が投げる試合は中継ぎ3枚(宇田川、山崎颯、平野佳)だけで想定できる。ベンチも心配していない」。絶対的エースで初戦を確実に取ることができれば、オリックスの優位は変わらないという。

ロッテがCSファーストステージで見せた勢い「ベテラン、中堅、若手と一体感がある」

 打線では首位打者を獲得した頓宮が復帰する可能性が高く、チームトップの18本塁打をマークした森や、対ロッテ戦で打率.322、4本塁打と相性の良い杉本が中心に座る。中嶋監督が見せるバリエーション豊富な戦術も効果的で「調子の良い選手を積極的に起用し、選手もそれに応える。投打ともに隙がない試合運びを見せている印象です」と語る。

 ただ、短期決戦では勢いのまま勝ち上がることも十分に考えられる。ロッテがCSファーストステージで見せた“底力”は相手にとっては脅威だ。「野球の怖さを感じさせられた。捨て身のチームは実力以上のものを出すこともある」。すでにポストシーズンで3試合を戦い、勝ち上がったチームの一体感は一番の自信になるという。

「ベテランの角中選手が粘って出塁し、荻野選手が繋ぐ。シーズン1本塁打の藤岡選手が同点の3ランを放つなど、チームの雰囲気は一番だと思います。試合を決めたのは安田選手。ベテラン、中堅、若手と一体感がある。もし、山本投手から先勝することがあれば、面白いことになる」

 ロッテは、CSファーストステージ初戦で先発した佐々木朗をどこで起用するのかもポイントの一つだ。「球数をどこまで投げられるのか。CS初戦は3イニングだけでしたが、中何日で登板させるか。佐々木投手を出せる状況まで持っていければ、一気に流れが傾く可能性もあります」と予想する。

 勢いに乗るロッテか、圧倒的な強さでリーグ3連覇を果たしたオリックスか――。「山本投手が普段通りの投球を見せればオリックス。リードを許す展開になればロッテ。両チームとも初戦の入り方が一番大事になるのではないでしょうか」と坂口氏。球史に残る大逆転劇を演じたロッテが不気味な存在になることは間違いない。

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