戦力外の鷹・上林誠知に合致する球団 ポテンシャルは“トップ級”…待たれる完全復活
ソフトバンク戦力外の上林誠知…全試合出場の2018年は12球団トップの数値も
ソフトバンクは22日、上林誠知外野手ら7選手に来季の支配下契約を結ばない旨を通告した。上林は2013年ドラフト4位で仙台育英高から入団し、2017年に134試合に出場して打率.260、13本塁打。翌2018年には全143試合に出場して打率.270、22本塁打、62打点、リーグ最多の三塁打14本を記録するなど“5ツール・プレーヤー”として期待されたが、その後は故障もあって低迷し、無念の通告となった。
今季成績は56試合で打率.185、0本塁打、9打点。とはいえ、23日に取材に応じた上林は「自信はちょっとあります」と復調を強調している。そんな28歳外野手の力を必要としそうな球団は、どこになるだろうか。セイバーメトリクスの指標を駆使して分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)が提供する、各チームの外野手のデータから考察してみたい。
使う指標は、同じ打席数をリーグの平均的な打者が打つ場合に比べてどれだけチームの得点を増減させたかを示す「wRAA」と、守備全般での貢献度を示す「UZR」。上林が全試合出場を果たした2018年の指標は、「wRAA」が11.1で、12球団の右翼手の中で7番目の高さ。「UZR」は13.7で、同じく全球団の右翼手でNO.1だった。
では、今季の12球団の指標から、右翼手がウイークポイントだったのは、どこの球団だろうか。「wRAA」の下位は西武(-10.7)、オリックス(-10.2)。「UZR」では-13.2の中日がワーストだった。上林は中堅手も務めるのでセンターでも見てみると、「wRAA」の下位は日本ハム(-20.9)と西武(-19.0)。「UZR」の下位は西武(-14.1)、ロッテ(-13.9)だった。
あくまで全盛時レベルの打撃力・守備力を取り戻せればだが、中堅・右翼の数値が低かった、上林の地元・埼玉の西武などは戦力となれるかもしれないが……どうだろうか。自信が少しでも「ある」という28歳の、新天地での活躍を期待したい。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。