イチロー氏が危惧「2割40本が評価される」 メジャーにはない高校野球の特有の魅力
北海道・旭川東高で指導、自身の本塁打への考え方を伝えた
マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏が、4日から2日間にわたり北海道・旭川東高で野球部員たちを指導した。生徒からの本塁打が打てないので、どんなスイングにすればいいかという質問に対して「確率は下げてほしくない。確率が上がっていけば、飛距離が上がる」と独自の回答をした。
2日に渡った指導を終えて、質疑応答が行われると、生徒からは本塁打を打つためにどうすればいいかという問いが。日米通算235本の柵越えを放った経験から「僕の場合は角度が出ないと距離が出ない。ライナーでずどんとはいかない。狙うときは角度をつけて。打ち方を変えるというよりはボールを捉えるポイントを変える」と説明した。
バットの出方も普段と変わらないと話すも、常に本塁打を狙うのは難しいとして、「ホームランを打ちに行くと相当確率が下がる。待っている球が来ない限りはなかなか難しい。僕それが嫌だから、ホームランを狙いにいっても、あ、違うと思ってヒットになるとか、そういう形にした」と、打席での心構えを説いた。
さらに、高校野球においては本塁打を1本打つことが最優先とされないと語り、「みんなで一つずつ勝っていくことを目指すなら、その1本は結果的に出ればいいんだけど、その1本を目指すために他を犠牲にするわけにはいかない」と諭した。
「今の大リーグなんか2割で40本、50本というのが評価されちゃったりするので、その野球とは高校野球とは全然違う。だから僕、高校野球の方がずっと面白いと思って見ている」と、昨今のメジャーリーグの動向も交えつつ、自身の“本塁打論”を語っていた。
(Full-Count編集部)