指名漏れ経て…オリ7位右腕が抱く野望 U23守護神がMVPで手にした「レベルアップ」
TDKの権田琉成投手はオリックスから7位指名を受けた
「SMBC日本シリーズ2023」の激闘が繰り広げられた京セラドーム大阪で、再び“頂上決戦”が幕を開ける。8日から19日まで「第48回社会人野球日本選手権大会」が開催される。社会人野球2大大会のうちの一つで、全32チームが頂点をかけて戦う本大会。東北地区予選を制し、3大会連続で本戦に出場するTDKから、オリックス7位指名の権田琉成投手に大会への思いとプロ入り後の展望を聞いた。
権田は上田西高卒業後、明星大学を経てTDKに入社。2022年、社会人1年目から都市対抗野球大会、社会人野球日本選手権大会に出場し、同年10月の「第4回 WBSC U-23ワールドカップ」ではクローザーを務めて大会MVPに輝いた。特に、国際大会での経験は権田自身だけでなく、チームにも好影響をもたらしたようだ。
「U-23の大会では多くの試合数のなかで投げなければならず、普段TDKでは体験できないことでした。TDKに戻ってきてからその経験を生かしたり、周りの人に教えたりできたので、チームのレベルアップにつながったと思います。もちろん、自分のレベルアップにもつながりました」
さらなる飛躍を目指した今年だが、夏に行われた「第94回都市対抗野球大会」は本戦出場ならず。「都市対抗野球に出られなかったので、チーム一丸となって日本選手権に出場しようと練習してきました」と、夏に味わった悔しさの分、日本選手権にかける思いは強い。
また、今回は権田がTDKの一員として戦う最後の大会であるだけに、昨年よりも特別感があるという。今大会に向け、特に力を入れて取り組んできたこととは。
「都市対抗の予選で負けてからここまでの期間、自分の強みを伸ばすため真っ直ぐを見直すことに力を入れてきました。軽く投げても抑えられるような、打者がより一層速く感じるような真っすぐを目指して頑張ってきたので、注目してほしいポイントです」
対戦したい打者は柳田「強みを全面に出して真っ直ぐで勝負したい」
10月26日、野球を始めた小学1年生から抱いていた夢への扉を開いた。「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」にてオリックスから7位で指名を受けた。「大学のときに指名漏れした経験があったので、今回指名されてとてもうれしかったのと、『良かったな』とホッとした気持ちがありました」と語る。
オリックスで共にプレーするのが楽しみな選手を尋ねると、「同じTDK出身の小木田敦也投手」と回答。「小木田さんとは入れ違いで一緒にプレーしたことがないので、やってみたいですね。まずは、プロの世界でどうやって戦っていけばいいかを聞いてみたいです」。
パ・リーグで戦ってみたい打者にはソフトバンク・柳田悠岐外野手の名前を挙げ、「自分の強みを前面に出して、真っ直ぐで勝負したい」と、球界屈指の強打者との対戦を心待ちにした。
最後に、将来どのような投手になりたいか理想像を聞いた。
「どこでも任せてもらえるような投手になりたいと思っていますし、何十年もプロの世界で戦っていきたいと思っています。『ここを任せた』と言われたら、その立場で100パーセント頑張りたいです。社会人でしか経験できなかったこともあるので、それを忘れずにプロで生かしていきたいと思います」
TDKの初戦は大会初日、8日の第2試合。度会隆輝外野手(DeNA1位指名)、糸川亮太投手(西武7位指名)を擁するENEOSとの一戦に臨む。
(「パ・リーグインサイト」高橋優奈)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)