5位に沈んだ10年連続の名手、低調の三塁、接戦制した20歳… データで選ぶ「GG賞」

中日・龍空(左)と広島・菊池涼介【写真:小林靖、荒川祐史】
中日・龍空(左)と広島・菊池涼介【写真:小林靖、荒川祐史】

指標「UZR」のトップ選手を選出…実際のGG賞は10日に発表

 守備の名手に贈られる「第52回三井ゴールデン・グラブ賞」は10日に発表される。実際は記者投票で選ばれるが、データだけに基づいて決定するとどうなるだろうか。今季のセ・リーグを検証してみる。

 セイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照する。用いるのは、守備で平均的な選手と比べた時にどれだけ失点を増減させたかを示す「UZR」。対象とした選手は「三井ゴールデン・グラブ賞」有資格者の82人とした。

 二塁手は吉川尚輝(巨人)が12.0でトップ。昨年までゴールデン・グラブ賞を10年連続受賞している菊池涼介(広島)は1.0で5位だ。実際に今回は“世代交代”となるだろうか。遊撃手は3年目20歳の龍空(中日)が10.0で1位。2位の長岡秀樹(ヤクルト)は9.7で大接戦だった。

 三塁手は柴田竜拓(DeNA)の2.1がトップ。ただ三塁での出場は72試合で167イニングと少ない。宮崎敏郎(DeNA)、佐藤輝明(阪神)、岡本和真(巨人)、村上宗隆(ヤクルト)らはマイナス評価だった。一方、一塁は大山悠輔(阪神)が11.3で断トツだった。

 外野手では近本光司(阪神)、関根大気(DeNA)、大島洋平(中日)が上位3人。近本は中堅で9.5をマークした。投手は伊藤将司(阪神)が1.5、捕手は中村悠平(ヤクルト)が3.9で1位になっている。10日発表の実際の賞は果たしてどんな結果になるだろうか。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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