外野すべて平均以下の26歳は名手? 隠れた守備職人も…Gグラブ賞、1票だけ入った選手

ソフトバンク・柳町達(左)とオリックス・茶野篤政【写真:荒川祐史、小林靖】
ソフトバンク・柳町達(左)とオリックス・茶野篤政【写真:荒川祐史、小林靖】

オリックスの小田、阪神の加治屋、ロッテの田村ら玄人好みの1票も

 10日に発表された「第52回三井ゴールデン・グラブ賞」の結果は、投票した記者たちが今シーズンをどう見ていたかを測る“物差し”となる。セ・パ両リーグ受賞者の計18人は納得する顔ぶれが並んだが、多くの選手に票が分散した部門も。さらにわずか1票だけを獲得した選手たちも実に9人に上っている。

 守備の評価は確かに難しい。投票するのは生身の人間だけに、打撃のイメージやチームの強さが影響してくるのはやむをえない面もある。ただ、1票獲得者の中には、指標で見ると好成績とは言えない選手も。セイバーメトリクスの観点からプロ野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータをもとに、守備全般の貢献度を表す「UZR」で見てみる。

 パの外野手部門では、オリックスの茶野篤政外野手、小田裕也外野手、ソフトバンクの柳町達外野手が1票を獲得した。茶野と小田はイニング数は少ないながらもUZRはプラス。一方、柳町は右翼で「-2.0」、左翼で「-1.2」、中堅で「-5.0」と、外野全ポジションでマイナスという散々な結果になっている。

 その他には、阪神の加治屋蓮投手、広島の島内颯太郎投手、中日の小笠原慎之介投手、DeNAの柴田竜拓内野手、楽天の則本昂大投手、ロッテの田村龍弘捕手に1票が入った。ほとんどの選手が、派手ではないもののセイバーメトリクスの指標ではプラスとなっており、玄人好みの投票だったと言えるだろう。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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