巨人ドラ4→救世主へ…年俸840万は「野球のために」 躍進の裏にあった“お金の使い方”
大卒1年目の門脇は年俸840万円「お金をかけることで自分の気持ちが真っ直ぐに」
阿部慎之助新監督が率いる巨人で、門脇誠内野手は来季の遊撃手として期待されている。新人ながら1軍にフル帯同。126試合出場で打率.263、3本塁打、21打点、11盗塁をマークし、シーズン終盤には不動の遊撃手だった坂本勇人内野手が三塁に回り、自身が遊撃に入った。野球日本代表「侍ジャパン」に選出されるなど売り出し中の22歳に迫った。
契約金5000万円、年俸840万円(金額は推定)で巨人入り。プロ入り直後、惜しげもなく自己投資した。大学時代から知るトレーナーに自身の体を見てもらい、疲労回復効果のある酸素吸引機や、あらゆるマッサージ器具を自費で購入。「自分の感覚が鈍ってしまわないように」と、日々のストレッチを一番大事しているが、このオフは「下半身を空気圧で締める」と新たな器具の購入を検討しているという。
「野球につながることは嫌ではないので。やっぱり野球をするために入っている。お金をかけることで自分の気持ちが真っ直ぐになる」
創価高1年から創価大4年まで公式戦116試合999イニングフル出場したという逸話を持つ。大学1年から全てを野球にかけるようになった。
「大学に入って本気でプロを目指すようになって、全てを完璧にしたいと思いました。プロを目指すにあたって、やるべきことを全て書き出して。そのために何が必要か、なら次はどうする、と。必要なものは全てやろうという思いになりました」
創価大時代に取り組んだ目標設定シート「大学No.1ショート」
目標に向かって規則正しい食生活を送り、ストイックなイチロー氏(マリナーズ会長付き特別補佐兼インストラクター)の動画を見ては「これぐらいやらないといけないのか」と刺激を受けた。二刀流・大谷翔平(エンゼルスFA)が花巻東高時代に実践していた「目標達成シート」にも取り組んだ。9分割の真ん中、大きな目標には「大学No.1ショート」と書き込んだという。
「当時は大学までの目標にしてました。プロは目指してましたけど、高校生の時は体が小さかった。大学に入って、4年間をかけて体を作ろうと計画を立てました。今は手帳とかに書くようにしています」
とても大卒1年目の22歳には見えない。この人間性が“ストロング門脇”と呼ばれる所以だ。仮に、今、目標達成シートを書くとしたら。
「レギュラー……いや鉄人レギュラーですね。やっぱり怪我をしないというのがプロ野球選手として必要な部分だと思うので。怪我をしない強さを持っておきたいです」
ただただ真っ直ぐに目標へ突き進む。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)