エ軍が抱えるジレンマ 大谷翔平がQO拒否→退団ならチーム再建も…響く“失敗の影響”
QOでドラフト指名権を獲得するも…課税オーバーなら順位は下がる
メジャーリーグ選手会は14日(日本時間15日)、FAとなっている大谷翔平投手ら全7選手が、クオリファイング・オファー(QO)を拒否したと発表した。来季の規定条件は単年2032万5000ドル(約30億5000万円)で、今季の年俸3000万ドル(約45億円)を下回る大谷が拒否することは“既定路線”だった。
エンゼルスは、大谷が他球団に移籍した場合はドラフト指名権を得ることができる。2巡目終了直後(戦力均衡ラウンドB)での指名権が与えられ、有望株を獲得することができる。しかし、チームは8月末に主力選手を放出しながらも、ぜいたく税回避に失敗した可能性があるため、最悪の場合、大谷移籍による指名権は4巡目後まで下がるかもしれないのだ。
米メディア「CBSスポーツ」でコラムニストを務めるマイク・アクシサ記者は、「オオタニのような選手を失うことを考えれば、小さなことだ」としならがも、2巡目直後と、4巡目以降の指名では約60人の差がある。今季のトレード期限が近付いた際、複数の米メディアは、大谷を狙う各球団が有望株ら複数選手をトレード相手とすることを計画していたと伝えていた。しかしエンゼルスは買い手に回ったため、若手数人を手放した。
しかしながらトレード期限が閉め切られて以降、チームは低迷。8月末にはルーカス・ジオリト投手、マット・ムーア投手ら5選手をウェーバー公示にかけ、総年俸の削減に走った。にも関わらずウェーバーとなった内の1人、ランダル・グリチック外野手が残留したことで、贅沢税の回避に失敗したと報じられていた。同記者は「彼ら(エンゼルス)は総額年俸をカットすることに必死だった。それでも、彼らが(ぜいたく税の課税ラインを下回ることに)成功したかわからない」と指摘した。
ぜいたく税の正式な算出は12月になるため、エンゼルスが課税ラインを超えるかどうかは確定していないが、大谷が去り、そして課税ラインを超えることになれば、チームにとってはこれ以上ない痛手だ。
(Full-Count編集部)