中学、高校で全国決勝を投げ合う運命 選抜で“3度目の再戦”を誓った2人のエース
星稜の左腕・佐宗と作新学院の最速147キロ右腕・小川は中学時代も全国大会決勝で投げ合う
神宮球場で行われた「第54回明治神宮大会」高校の部は、星稜(北信越代表)が3-1で作新学院(関東地区代表)を下し、32年ぶり3度目の優勝を果たした。中学でも全国の決勝で投げ合った両チームのエースは、来春の選抜で“3度目の再戦”を誓い球場を去っていた。
秋の日本一を決める神宮のマウンド。中学時代にしのぎを削ってきた軟式出身のエースが躍動した。作新学院の最速147キロ右腕・小川哲平投手(2年)が6回3安打1失点の好投を見せれば、星稜の左腕・佐宗翼(さそう・つばさ)投手(2年)は最速143キロの直球を武器に6安打1失点の完投勝利だ。
2人は中学時代に星稜中とALL栃木のエースとして活躍。2021年に行われた中学軟式野球の日本一を決める「全日本少年春季軟式大会」の決勝でも投げ合い、当時も佐宗が勝っていた。2年ぶりの再戦に佐宗は「意識ありました。今回も投げ勝てたのは大きなこと。春、夏の甲子園も戦いあえるように頑張りたい」と、充実した表情を見せ試合を振り返った。
チームには日本一を達成した星稜中のメンバーが多く在籍。中学1年から共にプレーすることでメリットも生まれそうだが「中学のメンバーは関係ないですね」と口にし、「チームワークや仲はいい。(厳しく)言うときは言って、助け合うときは切磋琢磨してやっている。チームワークはある」と胸を張る。
一方で2年前のリベンジを果たせなかった作新学院の小川は「今度こそは絶対と思っていたが。味方もしっかり守ってくれたりして、まだまだ自分の力が足りなかった」と、悔しさをのぞかせた。選抜に向けて「ここで終わりじゃない。春はもっと変わっている自分を見せたい」と意気込む。
試合後に2人は笑顔で「お互い頑張ろう」と握手を交わした。3度目の再戦が訪れる機会は来春の選抜大会。一冬越え、両者がどこまで成長した姿を見せるのか注目だ。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)