「女性が活躍する舞台」にメス 賛否両論も…オリ男女混成ユニット誕生の“舞台裏”

「BsGirls」のOGで球団職員の松元唯香さん【写真:橋本健吾】
「BsGirls」のOGで球団職員の松元唯香さん【写真:橋本健吾】

12月3日に球団公式ダンス&ボーカルユニットの最終オーディションが開催された

 2024年シーズンにリーグ4連覇を狙うオリックスの“改革”が始まった。2024年の球団公式ダンス&ヴォーカルユニットの最終オーディションが3日、大阪市内で行われた。プロ野球界初の男女混成パフォーマンスグループへ変貌を遂げるが賛否両論の声も……。「BsGirls」のOGで球団職員の松元唯香さんは「色々な声は届いていますが、期待を越えていくグループを作っていきたい」と、手ごたえを口にする。

 書類審査を通過した男女約100人が大阪の地に集結した。午前10時から始まった最終オーディションが終わったのは日が暮れた午後7時。初めて審査員として参加した松元さんは「数秒で力を出し切らないといけない過酷さは私も経験していた。人の人生を変える重大な役目。精神がすり減っていくような思いで審査させて頂きました」と、緊張した面持ちで“運命の1日”を振り返った。

「BsGirls」は今年で節目の10周年を迎えた。更なる進化を求め、来シーズンからは初めて男性のヴォーカル、パフォーマーを迎える。「純粋に面白かった。つかみは大事というか、その瞬間にかける準備はしっかりしてきていた。もちろん、パフォーマンスも素晴らしかった」。男性審査ではものまねや一発芸などを披露する場面もあった。

 今年10月に「男女混成」を発表した際にはSNS上で「BsGirlsは解散するのか」「グループに男性は必要?」など、ファンからは疑問の声も上がっていた。「何か始めるときには起こりえること。覚悟はしていました。ただ、BsGirlsがなくなるわけではない。言葉足らずの部分がありファンの方々には不安な思いをさせてしまいました。さらなるパワーアップをすると、捉えてもらえれば」と説明する。

「今回の新しい試みで可能性は広がった」

 今回の最終オーディションで1人の男性が放った言葉に、松元さんは心を奪われたという。

「野球も踊るのも大好き。グラウンドで踊りたい。初めて、その夢を叶えられるチャンスを与えてくれてありがとうございます」

 これまでは一般的に球団のチアやパフォーマンスグループは、女性が務めるものと認識されていた。今まで心のどこかで持っていた“固定観念”を覆され「確かにこの世界は女性が活躍する舞台だった。ですが、今回の新しい試みで可能性は広がった」と、確信を得た様子だった。

 厳正なオーディションを突破した“精鋭たち”は来年1月末に正式に発表される。男女混成ユニット、BsGirls、男性ユニットの3グループで2024年シーズンは始動する予定。松元さんは「今まで応援してくれたファンの方々の気持ちは忘れたことはない。女性からも男性からも愛されるグループとして、ファンと選手を繋げる存在になってほしい」と大きな期待を込めていた。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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