鈴木誠也は「自分の足を殴っていた」 盟友・丸も仰天…スターへの成長導いた“本能”

「ASICS FANGトークショー&キャッチボールイベント」に参加した巨人・丸佳浩(左)とカブス・鈴木誠也【写真:宮脇広久】
「ASICS FANGトークショー&キャッチボールイベント」に参加した巨人・丸佳浩(左)とカブス・鈴木誠也【写真:宮脇広久】

キャッチボールは2019年オールスター以来4年ぶり

 久しぶりに名コンビが復活した。カブス・鈴木誠也外野手と巨人・丸佳浩外野手は9日、アシックスジャパンが都内で開催した「FANGトークショー&キャッチボールイベント」に出演。直接顔を合わせるのは2年ぶりだそうで、2019年のオールスター以来4年ぶりのキャッチボールも披露した。

 鈴木と5歳上の丸は広島同僚時代の2016年から2018年まで、ともにリーグ3連覇の原動力となった盟友。その後、丸は2018年オフに国内FA権を行使して巨人へ、鈴木は2021年オフにポスティングシステムでカブスへ移籍している。

 イベント冒頭から「誠也はアメリカに行ってから、ただならぬオーラをまとっているので恐縮してしまう」と持ち上げる丸に、鈴木は「いいですって、もう……」と照れっぱなし。一方で、丸のコメントの後に、鈴木が「一緒です」「その通りです」「僕からは何もないです。完璧な回答ですから」と重ねるシーンが続出。丸が「おい、ずっと一緒やんけ! おまえも何か言えや!」とツッコミを入れ、爆笑を誘った。

 イベントに参加した小学生58人らを前に、鈴木と丸が交互にティー打撃を行い、お互いに解説し合うコーナーもあった。最後には鈴木が「僕が丸さんの打撃を再現します」と申し出て、左打席に立った。打ちながら「シュッ、シュッ」と声を出す丸の姿を誇張し、「シュア~!」と甲高い声を張り上げながらスイングした。

 そう言えば、鈴木は左脇腹の張りで今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の出場を辞退したが、大会期間中、不振にあえいでいたヤクルト・村上宗隆内野手のモノマネを披露した動画を本人へ送信し、エールを送った。感動的なエピソードをほうふつさせる一幕だった。

「彼ほど打ち取られた時に悔しがる選手を見たことがない」

 丸は鈴木のプロ1年目の2013年3月、オープン戦の開始前に行われた新人選手紹介での出来事を振り返る。「新人選手が1人1人呼ばれて並んでいくのですが、誠也が行く時、僕らが『転べ! 転んでお客さんを盛り上げてあげなさい』と声をかけました」と明かす。

 そして、「だいたいの選手はやらないのですが、誠也は『え~っ』と言いながら、転んだ。しかも、僕らのイメージではつまずく程度だったのに、彼は1回転して、すごい転び方をした」と思い出し笑い。「その時に『普通のルーキーとはちょっと神経が違うな』と思ったことを、今でもすごく覚えています」と語り、将来メジャーリーガーとなる予感も「ありました!」と言い切った。

 丸が明かす“誠也物語”は、さらに続く。「彼ほど打ち取られた時に悔しがる選手を、僕は他に見たことがない。ひどい時には、八つ当たりする所がなかったのか、自分の脚をひたすら殴っていました」と回顧。鈴木も苦笑交じりに「そうなんですよ。なんだか脚が痛いなと思ったら、前日に自分で殴っていた」とうなずくのだった。

 丸は「だいたいの選手は、たとえば4打数4安打で5打席目が回ってきたら、『さすがにもう打てないかな』と思ってしまう。ところが誠也の場合、4打席全てでヒットを打っていても、5打席目にアウトになると、めちゃくちゃ悔しがるのです」とも付け加え、「そういうところが毎年いい成績を残す秘訣かな」と評した。

 鈴木はメジャー2年目の今季、138試合で打率.285、20本塁打、74打点。個人成績のほどんどで昨季を上回った。それでも丸は「日本にいた時は、3割30本塁打100打点くらいはいつも叩きだしていた」と鼓舞。鈴木も「頑張ります」と応じた。ともに赤ヘルをかぶって築いた絆は、広島を離れても健在だ。

【写真】広島時代の盟友がコラボ 丸佳浩のスイングを真似る鈴木誠也

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