いまだ達成者ゼロ…大谷翔平に立ちはだかる“前例の壁” 歴史的記録への挑戦
“フルタイムDH”でMVPを受賞した選手はいまだゼロ
ドジャースに移籍した大谷翔平投手は、来季は野手1本でプレーする。2021年から投打両方でトップクラスの成績を残してきたが、打席に専念するのは“全盛期”を迎えてからは初めてとなる。右肘のリハビリこそ同時並行で行わなければならないが、どのような結果を残すのか。MLB公式サイトが展望した。
マニー・ランダワ記者は、大谷のこれまでの成績を絶賛し「2024年に、オオタニがピッチャーをやらないことのプラス面は、肉体的にも、精神的にも、打者としてのパフォーマンスに集中できるようになることだ。球界屈指の投手になるために必要なエネルギーを使う必要がなければ、すでに素晴らしいオオタニの打者としての成績がさらに良くなる可能性がある」と、ア・リーグ本塁打王に輝いた昨年よりも打席成績が向上するかもしれないと指摘する。
ドジャースでは、大谷の後ろをMVP経験者のフレディ・フリーマン内野手が打つことが濃厚。勝負を避けられることも減りそうで「オオタニに大きな恩恵をもたらすかもしれない」と予想している。
大谷が1年間打撃に全精力を注げば、達成できるかもしれない記録も紹介。まず、今季大谷が昨季と同じ157試合に出場していた場合の打撃成績を打率.304、51本塁打、WAR7.0と予想。1年間DHで出場し、50本塁打以上を記録したのはデビッド・オルティス(2006年・54本)だけ。WAR7.0なら、エドガー・マルティネス(1995年)と肩を並べる。
これまでのMVP受賞は大谷が二刀流でプレーした結果であり、前例をみてもフルタイムのDHでMVPとなった選手はいない。大谷は史上初の選手となることができるだろうか。
ドジャースの球団記録を見てみると、シーズン本塁打記録は、2001年にショーン・グリーンが記録した49本。今季のOPS1.066を上回っているのはベーブ・ハーマン(1930年・1.132)ら過去4人だけだ。
MLB全体では「異なるリーグで2年連続本塁打王」となれば史上初。2024年にドジャースでキャリア3度目のMVPを受賞すれば、両リーグでMVPを獲得したMLB史上2人目の選手に。複数球団でのMVPは史上6人目となる。
(Full-Count編集部)