元プロも驚く守備範囲…逸材12歳は「全国トップクラス」 目指すは西武源田の“背中”

広島東洋カープジュニアの内野の要、岡和生【写真:真田一平】
広島東洋カープジュニアの内野の要、岡和生【写真:真田一平】

広島ジュニアの遊撃手・岡和生選手は打球に対する反応速度が抜群

 26日に開幕する「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2023」で、広島東洋カープジュニアは球団OBの安部友裕監督のもと、上位進出を目指す。この大会で初めて指揮を執る安部監督がキーマンと語るのは、岡和生(なごみ)選手(原クラブ)と藤井隆太選手(鞆古城クラブ)。内野手の岡くんは広い守備範囲、投手の藤井くんはアンダースローの変則投法が持ち味だ。

 勝負強い打撃と内野ならどこでもこなすユーティリティを武器に広島で15年間プレーした安部監督は、岡くんの守備力を「全国でもトップクラス」と太鼓判を押す。「守備範囲が広くて捕球やスローイングも良い。打撃も伸びる可能性を秘めており、素直なのも強みだと思います」と内野の要となる遊撃を託す予定だ。

 身長156センチ、体重48キロと小柄だが守備センスは抜群。特に目を引くのは打球に対する反応速度。俊敏な動きで、三遊間の深いところへの打球にも追いつける。遊撃は小学2年から守る、慣れ親しんだポジション。守備は西武の源田壮亮内野手、打撃は巨人の坂本勇人内野手を目標に、日々の練習に励んでいる。

「守備もですが打撃でもチームに貢献したいです。打てるかな……ではなくて、打てるんだという強い気持ちを持って打席に入るように心がけています」。毎日欠かさない素振りのノルマは150回。コツコツ続けた努力が実を結びつつある。

「将来はプロ野球選手になって、メジャーリーグで活躍するのが目標です」と描く夢は大きい。ジュニアトーナメントは全国に名前を轟かせる、絶好の機会となりそうだ。

広島東洋カープジュニアの藤井隆太(左)と岸田開【写真:真田一平】
広島東洋カープジュニアの藤井隆太(左)と岸田開【写真:真田一平】

2年間で身長が20センチ近く伸びた変則右腕の藤井隆太選手

 投手で注目の藤井くんは長身アンダースロー。身長167センチ、体重62キロの恵まれた体をめいっぱい使って投げ込む変則右腕だ。4年生のときに参加した野球教室で、社会人の選手からアンダースローを勧められたことをきっかけにフォームを変更。小学生では希少な変則投げが、安部監督をはじめとした関係者の目に止まり選抜チームの座を射止めた。

 目標にしているのは、このオフにソフトバンクから巨人に移籍した高橋礼投手。アンダースローから150キロ近い球を投げ込む姿に自身の未来を重ねている。身長はこの2年間で20センチ近く伸び、体の成長と共に球速は110キロを超えた。安部監督も「ポテンシャルが高く全国の舞台で化ける可能性もあります」と期待をかける。

 岡くんや藤井くんのように個性的な選手がそろった今年の広島ジュニア。結成から約3か月、16人の選手をまとめる主将を託されたのは岸田開くん(八次野球クラブ)だ。捕手を務め、大きな声でチームを鼓舞する元気印。「しっかりと周りを見て、積極的に声をかけて選手全員がプレーしやすい状況をつくっていきたい」と意気込む姿が頼もしい。

「全国には間違いなく上には上がいる。ただ、比べ過ぎてはダメ。自分が上手くなっていくことを考えながらやっていこうと選手に伝えています」と安部監督。16人全員が広島県出身のオール広島で挑む大会、大舞台での経験が選手にどんな影響を与えるか楽しみに見守りたい。

(真田一平 / Ippei Sanada)

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