弾き出される功労者…3年で主力“総取っ替え”も 変革の中日で起きる相次ぐ正念場
一塁と外野に“煽り”…10年続く低迷期からの脱却へ打線テコ入れ
変革の1年になる。2022年から2年連続で最下位に沈んだ中日。就任3年目を迎える立浪和義監督にとって、2024年は状況次第で進退がちらつく可能性も。危機感はオフの動きに表れ、積極的な補強を実施。チーム内競争が促されると同時に、正念場を迎える功労者たちもいる。
ストーブリーグの話題をさらったのは、中田翔内野手の加入。12球団でも圧倒的な貧打が課題の中、通算303本塁打を誇る大砲が与える影響は、この上なく大きい。一塁での起用が濃厚なため、モロに煽りを受けるのがダヤン・ビシエド内野手。来日8年目の2023年は打率.244、6本塁打、23打点と軒並み自身ワーストと落ち込み、指揮官の信頼度が低下しているのは否めない。
ただ、中田は35歳を迎えるシーズンとなり、年間を通して出場し続けられるかは不透明な部分も残る。長い戦いを考えると、併用する時期も出てくるのかもしれない。2024年から日本人選手扱いとなるビシエドは、心優しいナイスガイでチームメートからの信頼も厚い。たとえ当初は代打要員だとしても、打線を底上げするピースになれれば存在価値は低くない。
外野にも補強の影響は出てきそう。前ソフトバンクの上林誠知外野手に加え、巧打の新助っ人アレックス・ディッカーソン外野手を獲得。チーム状況を考えると中堅の岡林勇希外野手は安泰だが、大ベテランの大島洋平外野手や、2023年にブレークした細川成也外野手には熾烈な争いが待っている。
2000安打を達成した大島は、39歳シーズンに入る。10年以上にわたって中日の外野を背負ってきたチームの顔だが、2023年はスタメン外や途中交代が増えるなど立場に変化が見えた。現役ドラフトでの移籍から突如チームトップの24本塁打と覚醒した細川は、“2年目のジンクス”との戦いになる。現時点で2人とも開幕スタメンの筆頭であるのは間違いないが、不調や故障、新戦力の台頭次第では立場は揺らぎかねない。
もしビシエドと大島がレギュラーから外れるようなことがあれば、立浪監督就任前の2021年の開幕スタメンと比べて顔ぶれは一新されることなる。指揮官にとっても背水のシーズンで、チームの一丁目一番地は、10年続く低迷期からの脱出。打線へのテコ入れは必然の策で、野手陣の底上げを促す。ファンにとっては、例年以上に楽しみなシーズンなのは間違いない。