「レフト大谷」の示唆もうなずける? 人材枯渇…頂点目指すドジャースのチーム事情

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督(左)と大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督(左)と大谷翔平【写真:ロイター】

大物揃うドジャースだが…意外に薄い外野の層

 大谷翔平投手が加入したドジャースは今季、2020年以来となる世界一を目指す。右肘手術の影響で、少なくとも1年は野手に専念し、指名打者での出場が多くなる見込みだが、デーブ・ロバーツ監督は左翼守備の可能性にも言及。MVPが3人揃い、大きな注目を集めるドジャースだが、大谷の左翼に期待したくなるチーム状況ではあるのは確かだ。

 米スポーツトークショー番組「ダン・パトリック・ショー」の取材に応じたロバーツ監督は「ショウヘイと少しだけ話したんだけど、『9月にボールを投げられるようになっていれば、レフトを守ることに前向き?』と聞いたら『肘の状態が大丈夫そうだったら、前向きだ』と答えてくれた。どうなるか見守ろう。(その判断を下すまで)まだ時間がある」と、外野守備の可能性に言及した。

 ドジャースの左翼は、年々OPSが減少している状況だ。2021年は「.782」で30球団中7位だったが、昨季は「.707」で19位だった。今季はクリス・テイラー、ジェイソン・ヘイワードらが候補だが、年齢は30代中盤と高齢化が進んでいる。テイラーは本来ユーティリティプレーヤー。ヘイワードは昨季15本塁打と復活も、今季も活躍を維持できるかは不透明だ。

 昨季まで右翼を中心にプレーしていたムーキー・ベッツ外野手は、今季は二塁を中心に起用すると指揮官が明言している。24歳のミゲル・バルガス内野手はまだ成長段階。現状ではテイラーとヘイワードが両翼を守り、下位打線を担いそうだ。

 若手外野手を見てみると、26歳のジェームズ・アウトマン外野手が中堅を担うことが予想される。マイナーでは、MLB公式によるチーム内の有望株トップ30で、上位15人のうち外野手は3人。2人はまだ19歳以下で、23歳アンディ・パッジは昨季2AでOPS.925(33試合)と好結果を残したものの、昇格は早くてシーズン後半か。

 チーム全体を見ると、他球団に比べて強力な選手が揃っているのは確かだが、レフトの攻撃力を考えたときにブレーブスや他の強豪に比べて一歩劣っているのは事実。今後数年で見ても外野の層は薄い。ロバーツ監督から「レフト大谷」発言が飛び出したのも、状況を鑑みると納得がいく。

(Full-Count編集部)

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