関係者が仰天「普通言えない」 異例の注目度も本領…DeNAドラ1が見せた“気遣い”
度会「注目してもらってやれていることに感謝していきたいと思います」
DeNAの新人合同自主トレが8日、神奈川県横須賀市内の2軍施設「DOCK」でスタートした。3連休最終日とあって多くのファンが見守る中、主役だったのはやはりドラフト1位の度会隆輝外野手(ENEOS)だ。笑顔を絶やさず、大きな声を出して同期たちを牽引。練習後に見せた何気ない姿には、球団関係者も驚きを隠せなかった。
三浦大輔監督の訓示から始まった“プロ1日目”。度会の目はキラキラと輝いていた。午前中最後のメニューとなった室内フリー打撃。マシンの次は、福本誠打撃投手の球を打ち込んだ。終了の合図が鳴るとヘルメットを取りペコリと一礼しながら「ありがとうございました! ナイスピッチャーです!」と元気よく感謝を示した。
「ありがとうございました」で終わる選手がほとんどだろう。打撃練習を見守っていた球団幹部や首脳陣、スタッフらも「おお」と感心。「新人の初日に普通言えないよね」と驚きを隠せなかった。実はノックの際にも「ナイスノックです!」と声を張り上げており、度会にとってはいたって“普通”のことなのだろう。「マシンも、凄くいいマシンで打たせていただきました」と笑った。
三浦監督は「多少の緊張もあったと思うんですけど、明るく積極的に声を出しながらほかの選手に声をかけていました。みんなの期待を集めていますし、ドラフト1位ということで期待値も高いと思いますけど、ありのままを出して、ルーキーですから色んなことにチャレンジしていってほしいなと期待しています」と頼もしいルーキーに頬を緩めた。
まさに「ありのまま」が故の人気なのだろう。グッズ売り場には長蛇の列ができ、度会のアクリルスタンド約200個が午前中で完売する異例の事態に。また多くのファンが詰めかけたことから急遽、抽選で100人限定のサイン会が実施された。DeNAでは近年まれに見る注目度も、本人は粋に感じているようだ。
「たくさんの方が来てくださって、自分も頑張らなきゃなという思いになりました。まだまだ始まったばかりですけど、こうやって注目してもらってやれていることに感謝していきたいと思います」。3球団競合の逸材は“らしく”プロのスタートを切った。
(町田利衣 / Rie Machida)