育成4位でも「即戦力になり得る」 スカウト太鼓判…22歳新人左腕、驚異の「10.51」

DeNA・庄司陽斗【写真:町田利衣】
DeNA・庄司陽斗【写真:町田利衣】

DeNA育成4位・庄司はトイストーリーの人気キャラ似で“ハマのウッディ”

 DeNAの育成ドラフト4位・庄司陽斗投手(青森大)が“掘り出し物”になるかもしれない。「トイ・ストーリー」の人気キャラクター、ウッディ似の左腕は、指名順位こそ低いが、八馬幹典アマスカウトグループリーダーが「即戦力になり得るおもしろい存在」と称する逸材候補だ。

 青森大3年時に左肘靭帯損傷を負い、ほぼ1年間を棒に振った。それでもプロ入りの夢をかなえるために、三浦忠吉監督と「4年生の1年間をしっかり投げ切るように今は準備をしよう」と長く険しいリハビリの日々を耐え抜いた。「下半身や股関節、肩甲骨周りのトレーニングをもう一度見直しました」と成長につなげた。

 最速148キロの直球とキレのあるスライダーなどを操るが、最大の武器は宮城・聖和学園時代に独学で投げ始めたというチェンジアップだ。直球に似た軌道から大きく変化し、打者を翻弄。「カウントを取りたいとき、空振りを取りたいときの差がつくれるのはいいことかなと思います」とうなずいた。

 4年秋には北東北大学野球1部リーグで4勝1敗、防御率1.53の好成績でベストナインを獲得。大学通算で79回2/3を投げ93三振を奪っており、奪三振率は10.51を誇る。八馬スカウトも「浜口(遥大投手)みたいなチェンジアップを放る。これが非常にいいので、万全なら十分勝負できると思う」と期待を寄せた。

 昨季40試合に登板したエドウィン・エスコバー投手が退団し、復帰が待たれた櫻井周斗投手は現役ドラフトで楽天へ移籍するなど、左の中継ぎは手薄な状態。チーム事情を考えても、庄司が本来の力を発揮できれば1年目からきっとチャンスは訪れるだろう。

「育成4位ということでかなり長かったですけど、選択終了の画面が出るまでは待ち続けるしかないと思ってハラハラドキドキしながら願って待っていました」とドラフト当日を振り返った22歳。それでも「この世界に入らせてもらったので、あとはもう横一線だと思っています。順位は自分的にはあまり気にせず、スタートから出遅れることなくアピールできたらいいと思っています」と力強く“下克上”を見据えた。

(町田利衣 / Rie Machida)

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