メッツはなぜ藤浪晋太郎を獲得? 屈辱の「3/30」…求められた本物の剛腕

メッツと契約合意した藤浪晋太郎(写真はオリオールズ在籍時)【写真:ロイター】
メッツと契約合意した藤浪晋太郎(写真はオリオールズ在籍時)【写真:ロイター】

藤浪は単年約5億円でメッツと契約合意と米メディアが伝えた

 ついに“最後”の日本人選手の去就が決定した。オリオールズからFAとなっていた藤浪晋太郎投手は2日(日本時間3日)、メッツと単年契約に合意したと米メディアが伝えた。昨季ナ・リーグ東地区4位に終わったメッツだが、果たしてなぜ“防御率7.18”の藤浪を獲得したのだろうか。

 1つ注目したいデータがある。昨シーズン、メジャー30球団の中で計64投手が100マイル(約160.9キロ)の大台を超える球速をマークした。「27球団」で記録されていたのだが、3球団だけが100マイル超えを計測していなかった。レッドソックス、ロッキーズ、そしてメッツだ。

 昨季のメッツは、通算205セーブを誇る守護神のエドウィン・ディアス投手が開幕前のWBCで故障し、シーズン全休。さらにサイ・ヤング賞2度のジェイコブ・デグロム投手もFAでレンジャーズへ移籍した。2022年にそれぞれ100マイル以上を105球、80球計測していた剛腕の不在に加え、シーズンでも低迷してジャスティン・バーランダー投手ら主力を放出する形になり、わずか3球団だけの“屈辱”を味わった。

 一方で昨季メジャー1年目を過ごした藤浪は、64登板で防御率7.18と振るわなかったものの、7月のオリオールズ移籍後は4.85と持ち直した。MLB公式サイトのデータサイト「ベースボール・サバント」によると、フォーシーム(直球)で100マイル以上を計測した回数はメジャー5位タイの「136球」で、存在感を見せた。さらに8月7日のメッツ戦では、日本投手最速となる102.6マイル(約165.1キロ)を記録した。

 なかなか結果を残せずにいる“金満球団”メッツ。1年335万ドル(約4億9800万円)+出来高85万ドル(約1億2600万円)の格安契約を結んだ藤浪が、チームの弱点を埋める存在になるのだろうか。

(Full-Count編集部)

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