甲斐野に抑えは「簡単には獲れない」 鷹で実績残しても…コーチ語る“条件”

西武・甲斐野央【写真:小林靖】
西武・甲斐野央【写真:小林靖】

豊田コーチは今季の守護神について「そこは競争になってくる」

 西武の守護神争いに注目だ。ソフトバンクから加入した甲斐野央投手が抑えのポジションを狙うことを明言したなか、豊田清投手コーチは7日、宮崎・南郷キャンプでの練習後に「そこは競争になってくる」と横一線を強調した。

 甲斐野は1日の入団会見で「中継ぎ投手は全員、後ろで投げたい気持ちはあると思う」とクローザーへの意欲を示した。だが豊田コーチは「去年、一昨年を見れば彼よりいい成績を残している投手はウチにいる。来たから彼に、というわけにはいかない」と冷静に語った。

 甲斐野は入団1年目の2019年に65試合の登板で28ホールドポイントをマーク。その後は怪我で苦しんだ時期もあったが2022年は27試合、昨年は46試合に登板し、いずれも防御率は2点台を残した。

 西武では昨季、豆田泰志投手が16試合ながら防御率0.59、田村伊知郎投手も24試合で同1.52、佐藤隼輔投手は47試合で同2.50、平井克典投手も54試合で同2.55。新加入のアルバート・アブレイユ投手も最速163キロを誇る救援投手、さらに復活を期す通算194セーブの増田達至投手ら、抑え候補がズラリと並ぶ。

「虎視眈々と狙っている子たちがいる現状。そこを突き抜けてくれる投手がいないだけで、近いのはいっぱいいる。簡単には獲れないポジションだと思っている」。西武、巨人などで活躍し、通算157セーブを記録した豊田コーチはニヤリと笑った。

先発陣は昨季リーグ最多の10完投も「そいつらからも任せてもらえる投手でないと」

 抑えに求められるものは「信頼される投手。首脳陣、選手間、ファンからというところで、コイツに託して打たれても後悔ないという投手」と即答する。

 昨季はリーグ最多のチーム10完投を誇るタフな先発陣が揃う中で「そいつらからも(9回を)任せてもらえる投手でないと。大輔はマウンドを譲ってくれなかったから」と松坂大輔氏の名前を出し、完投に強いこだわりを持つ投手からも9回を託されるくらいの存在になるべきだとした。

「甲斐野も、もうウチの子。ソフトバンクではない。ここでやりたいポジション掴んで欲しい」。群雄割拠の9回のマウンド。ハイレベルの守護神争いは始まっている。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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