山本由伸が「絶賛する理由が分かる」 専門家が見たオリ逸材19歳の資質と課題
2年目右腕の齋藤響介は「課題を乗り越えた先には相当いい投手に」
リーグ4連覇を狙うオリックスに投打で“ニュースター候補”がいる。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は春季キャンプで、ともにA班に入った19歳コンビの齋藤響介投手、内藤鵬内野手を絶賛した。
盛岡中央高から2022年ドラフト3位で入団した齋藤は新人だった昨季、9月26日の西武戦(京セラドーム)で1軍デビュー。150キロを計測するなど4回を2安打無失点と希望を抱かせる投球を披露した。ドジャースに移籍した山本由伸投手がニュース番組で「球を投げたらエグい」と認めた逸材だ。
ブルペン投球を見守った野口氏は「指がしっかりかかった直球は目を見張るものがある。山本投手が絶賛する理由がわかる」と唸った。
現状ではやや安定感に欠ける部分もあり「そのバラつきの差を埋めることと、指がかかったときのいい球がいく回数を増やすこと。どの投手も通る道だけど、それを乗り越えていかないといけない。あとは線が少し細いかな」と課題も挙げる。
今年は2軍で経験を積ませることが成長を促すとし、「ファームで揉まれたら来年がすごく楽しみ」。魅力のあるボールを投げるだけに「早く使いたくなる気持ちは分かるけど、逆に時間をかけて育てる方がいいと思います」と語る。
投手陣に豊富な戦力が整っているだけに、慌てて使う必要はない。「大学に4年間行ったと思って、じっくり。課題を乗り越えた先には相当いい投手になっているのが見えますね」。
180センチ、103キロ、高校通算53本塁打の内藤の魅力は「あの体からの飛距離」
野手では2022年ドラフト2位で日本航空石川高から入団した内藤に着目した。180センチ、103キロ。高校通算53本塁打、スイングスピードは160キロを超える右の長距離砲に「でかいね。それだけで魅力があるでしょ。しかもただ大きいだけでなく、体に厚みがある」と体格に目を奪われていた。
フリー打撃の様子には「少し切れがなかったかな」としながらも「高卒2年目で毎日必死にやっているわけだからね。おそらく個人練習までみっちり。今が疲れのピークだから仕方ない。切れが出ていない理由が分かっているので、そこまで心配することはないと思います」。
まだまだ荒削りな部分は多い。「サードの守りも含めて課題はてんこ盛り」とするも、「夢を見させてくれそうですよね。全く慌てる必要はないと思います。あの体からの飛距離。そこを期待しての獲得であり、齋藤も含めたA班抜擢なんだと思います」。無限の可能性を秘めた19歳の逸材コンビの成長を心待ちにした。
(湯浅大 / Dai Yuasa)