西武大砲に“優良助っ人”の雰囲気 球団フロントも驚いた…前評判とは違う打撃

キャンプに参加している西武のヘスス・アギラー【写真:小林靖】
キャンプに参加している西武のヘスス・アギラー【写真:小林靖】

野口寿浩氏が西武キャンプ視察、アギラーは「非常にいい試みの練習」

 昨季5位に終わった西武のシーズン90本塁打、435得点は共にリーグ最少で、攻撃力アップが浮上のポイントとなる。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は宮崎・南郷キャンプを視察し、新加入のヘスス・アギラー内野手がフリー打撃で見せた取り組みに「日本に適応するのは早いかもしれない」と評価した。

「どんな球でも必ず右方向へ打つようにしている。まだ日本の打撃投手に慣れずに、タイミングを取れていない部分もあってポイントがバラバラではありますが、いい調整だと思って見ていました」

 新加入となる外国人選手は、いいところを見せようと、強振して長打を狙う打者が多い。だが、アギラーの練習は「自分のバットの出方、角度を確認しながらやっているのだと思う」。巨人からソフトバンクに移籍したアダム・ウォーカー外野手も同様の取り組みをしており、「どうやったら日本の野球にアジャストできるのか学んできたように感じました」。

 野口氏と一緒にフリー打撃を見守った球団本部編成グループディレクターの潮崎哲也氏からは「事前の映像では“引っ張り専門”の評価で獲ったんだけど、キャンプインから一貫してあの打撃をしている」と説明されたという。

 メジャー通算795試合出場、114本塁打402打点。「パワーはあるのは分かっているのだから、その打者が非常にいい試みをしている。穴が減る可能性はありますね」。守備練習でも柔らかいグラブ捌きを披露。「サインプレーにもしっかり入ってやっていた。真面目なんでしょうね。日本に適応するのは早いかもしれません」と語った。

アギラー&コルデロに求められる長打「ホームランは脅威ですから」

 もう1人の助っ人、フランチー・コルデロ外野手は対照的に気持ちよく柵越えを連発していた。「あの打撃が彼のスタイルなのでしょう。アギラーの練習方法とどちらが正解なのかはシーズンに入ってみないと分かりませんが、大きいのを打てる、という意味では2選手への期待は相当なものだと思います」。

 交渉内容は不明ではあるが、昨季、チームで2位の15本塁打を放ったデビッド・マキノン内野手と契約を更新しなかったことに野口氏は「15本だったら……というのもあって新たに探してきた2人なんだと思います」と推察した。

 投手陣は豊富だけにチームの課題は明白。「点が取れるようになったら十分に脅威なチームになるでしょう。もうそこは松井監督をはじめコーチ、フロントもファンもそう思っている。どれだけそこに近づけるか。ホームランは脅威ですから。バッテリーにかけるプレッシャーは大きい。2人が機能したら面白いですね」。5年ぶりの優勝を狙う鍵は、両助っ人にあるようだ。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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