麟太郎が明かした苦悩…NPB入りで「順調に行きたい思いも」 志望届を出さなかったワケ
花巻東・佐々木麟太郎はプロ志望届を提出せず米スタンフォード大に進学
米スタンフォード大に進学する岩手・花巻東高の佐々木麟太郎内野手が20日、同校で取材に応じ、異例の進路を決断するまでの背景を語った。高校歴代最多とされる通算140発のスラッガーはドラフト上位候補としても名前が挙がっていたが、プロ志望届を提出せず。「(NPBに入って)順調に行きたいという思いもあった」と胸中を明かした。
米国留学の選択肢は父でもある花巻東高・佐々木洋監督からの提案だった。自身も最初はNPBか日本の大学に進学する方向で考えていたが、「最初は未知の世界だったので何もわからないことばかりでした」。ただ、逆に見たことない景色に好奇心が沸いた。
偉大な先輩でもあるブルージェイズ・菊池雄星投手、ドジャース・大谷翔平投手の背中を見て花巻東高への進学を決めた。今回の渡米は菊池や大谷がプレーしていることが決め手になったわけではないが、「ずっと2人を追いかけていた部分はありました」。米国という選択が身近になったのは間違いないだろう。
プロ野球志望届を提出すれば、ドラフト上位で指名される可能性は高かった。一方で、怪我にも苦しんだり、一塁以外は守れないと言われることも。「自分としてはファーストが第一の基本線だとは思っていますが、可能性をいかに広げるかが大事ですので」と選んだのがスタンフォード大だった。
慣れない環境も…不安を拭ったスタンフォード大のサポート
もちろん不安はあった。日本と違い練習量も少なく、慣れない環境。入学試験では英語のエッセイを記した。それでも「サポートという部分で、コンディショニングという面でも自分としてかみ合った部分があったかなと思います」。日本人トレーナーがいるのも入団の決め手となった。
現在は民間のオンライン英会話教室でレッスン中。「語学の取得が最優先ですし、やりたいことを見つける作業や学んでいく、そこに達するためには語学を習得するのが一つの段階です」。勉強もおろそかにしていない。
入学は9月を予定しているが、4月から単位の取得は可能。ビザなどの都合はあるものの、高校卒業後は可能な限り早く渡米する予定だ。「世界でもトップを誇る大学であるのは重々承知いしているので。その覚悟を上でここでやっていきたいと思いました」。麟太郎の新たな挑戦が、これから始まる。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)