19歳に突然の“移籍通告”「整理つかない」 驚きと困惑…寝起きで出たGMからの電話
オリックス在籍1年で移籍が決まった日高「驚きしかなかったです」
広島に移籍した日高暖己(ひだか・あつみ)投手が、宮崎・日南キャンプで順調な調整を重ねている。広島からFA権を行使してオリックスに移籍した西川龍馬外野手の人的補償で、プロ2年目を広島で迎えることが決まった19歳右腕。移籍の連絡を受けた時のことを「全く想像していなかったので驚きしかなかったです」と振り返る。
広島移籍の連絡は、帰省していた宮崎の実家のベッドの上で聞いた。9時過ぎに突然鳴った携帯電話、画面に表示されていたのはオリックスの管理部長。日高は眠い目をこすりながら電話に出た。電話口で告げられたのは「この後、(福良淳一)GMから連絡があるから出て」。何のことか見当もつかないままGMの電話に出ると広島への移籍を言い渡された。
「寝起きだったので頭の中で整理がつかないまま、返事だけしていました。もうびっくりという思いしかなかったです」
GMからの電話を切ると、家にいた両親に移籍を報告。オリックスで1年目のシーズンを終えたばかりだっただけに、本人同様に両親も驚きを隠せなかったという。その後、1月5日に広島が日高獲得を発表。プロ2年目のシーズンは驚きと困惑とともに幕を開けた。
広島で見据える1軍マウンド「未練はもうないですね」
本来ならじっくり自主トレを行うはずだった1月は慌ただしいものとなった。関係者への連絡、引っ越しの準備、広島での入団会見……あっという間に2月1日のキャンプインを迎えることになった。
「広島に面識のある選手はいなかったので不安もありましたが、みんな優しいです。新井(貴浩)監督からは『焦らずじっくりやっていって』と言葉をかけていただきました」
キャンプは1軍からスタート。初日からブルペン入りすると連日投げ込みを行い、11日の紅白戦では2回無失点。沖縄キャンプには帯同せず日南に残ることになったが、18日に行われた巨人2軍との練習試合では先発マウンドにあがり3回2失点。初の対外試合で10代とは思えない堂々とした投球を披露した。
ドジャースの山本由伸投手を彷彿させる投球フォームから繰り出される力強い球に首脳陣の評価は高く、今後も先発として実戦を重ねていくことが予想される。
予期せぬ突然の移籍から1か月半、「最初はオリックスを離れる寂しさもありましたが、長々と引きずっていられませんから。未練はもうないですね」と力強く言い切った。「1軍で投げることしか考えていません」。19歳右腕の視線は広島での未来を見据えている。
(真田一平 / Ippei Sanada)